2012 Fiscal Year Research-status Report
ディープサブミクロン対応の付着微粒子静電除去技術の基礎開発
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23560428
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
高橋 主人 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80517095)
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Keywords | 異物除去 / 静電吸着 / 付着力 / 微粒子 |
Research Abstract |
ガラス球(40~90μm)をポリエチレンPEおよび塩化ビニルPVCフィルムに静電吸着させて除去する基礎的な実験を前年度に引き続き実施した。(1)PEとPVCを2枚の電極間に挟んで高電圧を印加した際の静電吸着力を比較した結果、PE<PVCとなった。PEは静電吸着力の理論値に一致したが、PVCは理論値以上の吸着力が発生した。この原因を調べた結果、PVCには電気的な力の他に電圧印加と関係しない別の付着力が発生するためであることを明らかにした。(2)PEとPVCによるガラス球除去試験は、PVCの方が優れていることがわかった。(3)高電圧を繰り返し印加することで除去率の向上を図った。高電圧の印加周波数を0.1Hz~1kHzの範囲で印加し、PEないしPVCフィルムを交換せずに除去試験を実施したが、繰り返して高電圧を印加した効果は見られなかった。(4)繰り返して高電圧を印加するごとにフィルムを交換すると、除去率が徐々に向上することがわかった。5回程度の高電圧印加で90%のガラス球除去率が得られた。(5)繰り返し高電圧印加で除去率が向上した理由について調査した。ガラス球の除去にはガラス球とフィルムが接触している必要があり、大小のガラス球が混在していると、フィルムと接触している大きなガラス球のみが最初に除去される。次の高電圧印加では次に大きなガラス球が除去される。この現象が繰り返して高電圧を印加した効果の理由であることが推察できた。(6)1μm台のガラス球除去試験のための試験片を試作した。(7)シリコン基板上の付着ガラス球の静電吸着による除去と題して、真空に関する連合講演会(日本真空学会主催)で発表した。「真空」に投稿し受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微粒子の除去効率を向上する方法として、表面の微粒子を帯電させてから高電圧を印加して微粒子を除去する技術について実施する予定であったが未実施。繰り返し高電圧を印加すると除去率が向上する現象が見いだされ、その原因を追究するのに時間を要した。また、PEやPVCフィルムに微粒子を付着させて除去する際の除去率のばらつきが非常に大きい。その理由を調べることにも時間を要している。およその原因は見いだせつつあるので、今後実験を加速する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)PVCフィルムによる1μmレベルのガラス球除去試験を実施する。シリコン基板にガラス球を付着させて顕微鏡により観察する方法をとるが、その試験片をエッチングで試作完成した。今後は、ガラス球のサイズが除去率の及ぼす影響を調査し、より微細化した場合の予測をつける。 (2)電子銃でガラス球をあらかじめ帯電させておき、強制的に除去する試験を実施し、除去率の向上を図る。 (3)曲率のある試験片表面について除去試験を行い、実際の部品への適用を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試験片の製作費(100k\) 学会発表旅費ほか(100k\)
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