2013 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導デバイス応用のための窒化物超伝導薄膜の最適化と物性制御
Project/Area Number |
23560431
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
牧瀬 圭正 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所 ナノICT研究室, 研究員 (60363321)
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Keywords | 超伝導デバイス / 超伝導薄膜 / 窒化物 |
Research Abstract |
ニオブ(Nb)より高温で動作する超伝導デバイスの実現のため、Nbを超える超伝導転移温度を持つ窒化ニオブ(NbN)および窒化チタンニオブ(NbTiN)薄膜を使ったデバイス応用に向けて、これまで材料パラメータの抽出や物性制御を行ってきた。これまでの研究の蓄積により、NbN、NbTiN膜の成膜条件を最適化を行い、得られた膜に対して高い再現性が得られた。この成膜条件を使うことで歩留りの高い超伝導デバイスの作製が可能になった。最終年度となる本年は昨年までに得られたデバイス作製に必要となるパラメータを用いて、層間絶縁層以外はすべてNbNで構成される単一量子磁束回路の設計、作製、および動作実証を行った。ジョセフソン接合数が数百程度の小規模SFQ回路を設計し、実際の回路作製・評価を通じて、回路設計および作製プロセスの検討を行った。設計は最上部にグランドプレーン、最下層にジョセフソン接合を配置した。このように配置することで、MgO上のエピタキシャルNbN/AlN/NbN接合を利用できるため、ジョセフソン接合の臨界電流値の制御性がよく、高い再現性が得られる。さらに接合直上にグランドコンタクトを形成できるため寄生インダクタンスを低減できる等の利点がある。回路の動作実証の結果、正常動作が確認された。一方で測定した回路の動作マージンは±3%以下と非常に狭い。その原因を明らかにするため、SQUIDを用いて実測した回路インダクタンスを用いて、回路シミュレーションを行うと、測定したデバイスの臨界電流値が設計値の70%と小さいために、TFFの動作領域下限で動作していることがわかった。以上のことから、窒化物超伝導薄膜の物性を詳細に評価、制御することが超伝導デバイス応用に対して有効であることが示された。今後、さらなる窒化物超伝導薄膜のデバイス応用に関して新たな展開が期待される。
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[Journal Article] Development and testing of Band 10 receivers for the ALMA project2013
Author(s)
Y. Uzawa, Y. Fujii, A. gonzalez, K. Kaneko, M. Kroug, T. Kojima, K. Kuroiwa, A. Miyachi, S. Saito, K. Makise, Z. Wang, S. Asayama,
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Journal Title
Physica C
Volume: 494
Pages: 189-194
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The First Six ALMA Band 10 Receivers2013
Author(s)
Y. Fujii, A. Gonzalez, M. Kroug, K. Kaneko, A. Miyachi, T. Yokoshima, K. Kuroiwa, H. Ogawa, K. Makise, Z. Wang, Y. Uzawa
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Journal Title
IEEE TRANSACTIONS ON TERAHERTZ SCIENCE AND TECHNOLOGY
Volume: 3
Pages: 39-49
DOI
Peer Reviewed
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