2011 Fiscal Year Research-status Report
高密度フラッシュメモリシステムに適した信号処理・符号化方式の開発
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23560439
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
BRIAN Kurkoski 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (80444123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田山 正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20275374)
鎌部 浩 岐阜大学, 工学部, 教授 (80169614)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フラッシュメモリ / 誤り訂正符号 / フローティング符号 / WOM符号 / 信号処理 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本年度においては研究計画に従い、フラッシュメモリの長寿命化のための符号化方式の開発を行った。本年の主たる研究実績は、(1)格子を基礎としたフローティング符号(WOM符号)の最適符号構造の解明 、(2)効率的な通信路量子化手法の開発、(3)フラッシュメモリ符号化に関するワークショップの実施の3点である。以下では、これらの各項目について概要を述べる。(1)フローティング符号の最適符号構造に関して格子理論に基づき検討を重ねた結果、ある連続集合と格子の共通部分から成る最適符号構造のひとつが見出された。特に8次元のE8格子とReed-Solomon符号を組み合わせる符号化変調方法は、従来のBCH符号を利用するフラッシュメモリ符号化方式に比べてにSN比において1.8dB改善されるなど優れた性能を有することが示されている。この研究成果は、サンディエゴ(米国)で開催されたNon-Volatile Memories Wにおいて発表された。(2)LDPC符号における反復復号器をハードウェア化する際に、効率的な通信路量子化を適用することよりハードウェアの複雑性が低減できる。本研究では、ランダム誤り指数を指標とした通信路量子化設計アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムにより情報理論の観点から最適な通信路量子化設計への道が開かれたと考えている。さらに、相互情報量を最大化する方法を基づき、LDPC符号における1ビットメッセージを用いる高性能復号アルゴリズムを提案した。(3)今年3月15日に電気通信大学で「フラッシュメモリ符号化に関するワークショップ」を実施した。同ワークショップにおいては、カリフォルニア大学/カリフォルニア工科大学のE. Yaakobi氏による特別講演(科研費による招待)を中心として活発な議論が行われ、共同研究の契機が得られた。本研究分野の国内における活性化に貢献できたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績欄で述べたように当初の予定に対して、おおむね順調に研究成果が得られつつあるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従って研究を推進する。本年度は、特に誤り訂正特徴を持つWOM符号に焦点を絞り検討を進める予定である。また昨年度からの研究成果を一旦、論文としてまとめていく。さらに、昨年度の研究成果に基づき量子した離散無記憶通信路の容量を求めるアルゴリズムを開発する。E8格子を基づく変調方法を一般化するために、任意格子を利用する符号構造を検討する。さらに研究分野活性化の意味での成果が大きかったワークショップを継続して実行することを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度後半、平成25年度前半にも「フラッシュメモリ符号化に関するワークショップ」を開催する。そのため、海外から招待講演者の謝金、旅費を援助する。さらに、研究結果に関して国外発表が予想される平成24年に、Boston(米国)に開催するIEEE ISIT(Kurkoski 2件)、 IEEE Globecom (Kurkoski1件予想)などの旅費を研究費より支出する。
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Research Products
(29 results)