2011 Fiscal Year Research-status Report
高機能画像表現のための傾斜平面分離性能を有する二次元直交変換の設計と実時間実現
Project/Area Number |
23560443
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30295472)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 画像処理 / 直交変換 / ウェーブレット変換 / 画像符号化 / 画像復元 / 実時間実現 |
Research Abstract |
本年度は、本研究で提案している画像変換技術「指向性重複直交変換」の効果的な設計法および画像処理応用のための基礎検討を行った。また、実時間実現に向けた準備を開始した。設計法および実現法に関しては、海外学術誌IEEE Trans. on Image Process. へそれぞれ論文およびレターとして投稿し、採録が決定した(DOI:10.1109/TIP.2011.2182055, 10.1109/TIP.2011.2181527)。また、世界中の科学者、開発者に広く利用されているMathworks社の数値シミュレーターMATLABにてシミュレーションモデルを構築し、これを同社が運営するサイト上にて公開した。結果として、誰もが論文に掲載したシミュレーション結果を再現し、論文の引用がし易いように配慮した。応用の検討として、画像符号化、ノイズ除去、超解像、画像修復など画像処理の分野における重要な課題について取り組み、提案する変換の有効性を確認した。研究成果について、信号処理シンポジウムや音声・音響信号処理に関する国際会議(ICASSP)など国内外の学会にて積極的に発表を行い、広く情報を発信すると共に、今後の発展に有益な情報の収集を行った。さらに、実時間実現に向けた準備として、映像処理用FPGA評価ボードの他、回路合成ツール、論理シミュレータのライセンスを購入し、提案する変換のハードウェア構成の検討を行い、実装を開始した。今後は、設計法の改善と新たな手法の提案、応用に関するこれまでの成果の論文投稿と更なる展開、実時間実現の具現化と誰もが実際に利用し易いようC/C++言語およびハードウェア記述言語によるモジュールやライブラリの公開を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画は、効果的な指向性変換の設計とその指向性制御の検討、画像処理への応用と評価、実時間実現に向けたシステムモデルの構築であった。物品購入、成果発表なども含め概ね研究計画のとおりに進んでいる。特に、設計法に関する論文が採択された点は進捗状況が順調であることを裏付けている。ただし、指向性の制御については、当初の計画とは異なる手法をとった。画像に合わせて指向性を制御するよりも、指向性変換を複数用意しておき、既存の最適化アルゴリズムを利用して、与えられた画像に最適な重みで結合した方が簡便であることが主な理由である。本手法においても十分な効果が認められたため、今後もさらに同手法の検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策を設計、応用、実現に分けて以下に述べる。1.設計:これまでは、与えられる画像に対して特別な仮定を置かず、汎用的な変換の設計を行ってきた。今後は、設計の効率化に加え、例えば、防犯カメラに映る人体や顔など対象を定めた上で、その対象に適した変換の設計を行う予定である。学術的には、辞書学習(Dictionary Learning)の問題と位置づけられる。2.応用:これまでは、モノクロの画像を利用した基礎的な評価が中心であったが、実用化を推し進める。映像、カラー画像、マルチビュー画像への展開のほか、これらアプリケーションソフトウェアの実装を進める。3.実現:これまでは、ハードウェア中心の検討を進めてきたが、今後は組み込みプロセッサ上での実現のほか、組み込みプロセッサとハードウェアの協調実現についても検討を進める。また、再利用し易いモジュールやライブラリの整備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度未使用額については、全て平成23年3月26日から31日の期間の出張旅費に充てる予定である。3月末の収支簿に間に合わなかったことが理由であり、実質上、次年度は当初の計画どおりの研究費を使用する予定である。1.物品費:画像処理結果を確認するためフルHDに対応した液晶モニタ2台を購入する。その他、関連図書の購入などに充てる。また、システム開発に必要なライセンスの購入に充てる。2.旅費:画像符号化シンポジウム(PCS、クラクフ)、画像処理に関する国際会議(ICIP、フロリダ)、アジア太平洋信号情報処理協会年次会議(APSIPA ASC、ハリウッド)、信号処理シンポジウム(沖縄)に参加し成果発表を行う予定である。3.謝金等:特になし4.その他:各種学術会議に参加するための登録費用の他、論文別刷代に充てる。
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Research Products
(12 results)