2011 Fiscal Year Research-status Report
対称通信路におけるPolar符号の符号構成法に関する研究
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23560447
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 賢一 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284313)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報理論 / 通信路符号 / Polar符号 |
Research Abstract |
Arikanは2元入力無記憶通信路の対称通信路容量を符号長Nとともに計算量O(N log N)の符号化および復号化で達成するPolar符号を提案した.Arikanの提案したPolar符号では符号の構成には符号長に対して指数関数時間の計算複雑度を要する.Polar符号の符号構成法における計算複雑度の改善として通信路における相互情報量の解析を行い,Polar符号の構成法に関して次の結果が得られた. 1. Polar符号を構成するときに与えられた2元入力対称通信路に対するchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路における相互情報量の考察を行い,与えられた2元入力対称通信路と同じ通信路容量を有する別の2元対称通信路の結合の形式における再帰的な導出式を導いた. 2. 上記の1.で導いたchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路と同じ通信路容量を有する別の2元対称通信路の結合の形式において,KurkoskiとYagiが提案した動的計画法を適用した通信路容量の近似を述べ,Polar符号の近似を用いた構成法を提案した. 3. 上記の1.の拡張として,与えられた対称通信路が3元入力対称通信路への拡張を考え,3元入力対称通信路に対するchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路における相互情報量の考察を行い,与えられた3元入力対称通信路と同じ通信路容量を有する別の3元対称通信路の結合の形式における再帰的な導出式を導いた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究目的はPolar符号の構成法における近似法におけるより優れた近似Polar符号の提案であり,Polar符号を構成するときに与えられた2元入力対称通信路に対するchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路における相互情報量の考察を行い,与えられた2元入力対称通信路と同じ通信路容量を有する別の2元対称通信路の結合の形式における再帰的な導出式を導き,KurkoskiとYagiが提案した動的計画法を適用した通信路容量の近似を述べ,Polar符号の近似を用いた構成法を提案した.この点において,おおむね順調に進展していると考える.また,同研究の過程において,海外で1件,国内で2件(うち1件は招待講演)の研究成果の発表を行っている.しかしながら,雑誌論文への投稿の準備が遅れており,今後のこの点について改善を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降となる今後の研究の推進方策については,次の2点を挙げている. 1. 1年目の優れた近似Polar符号の構成法の精査によるより精密な近似Polar符号の性能解析 2. 2元入力対称通信路から多元入力対称通信路への拡張した場合におけるPolar符号の符号構成法とその性能解析 上記の1.については,真のPolar符号と近似Polar符号における復号誤り特性の性能比較を試みる. 上記の2.については,1年目に3元入力対称通信路への拡張した場合に対するchannel combiningとchannel splittingを操作した通信路における相互情報量の考察を行い,与えられた3元入力対称通信路と同じ通信路容量を有する別の3元対称通信路の結合の形式における再帰的な導出式を導いており,さらに,動的計画法を適用した通信路容量の近似を考え,Polar符号の近似を用いた構成法を提案することを考える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費として「次年度使用額」は33,993円である.本年度はほぼ予定通り支出であったが差額として未使用となった同該当研究費は翌年度以降の研究費の物品費として使用する計画である.
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