2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560451
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 優 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70432284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 富朗 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20324478)
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Keywords | super resolution |
Research Abstract |
本研究は、画素数が増加する画像ディスプレイにおいて、画素数に見当たった高精細の画像を信号処理によって復元する超解像方式に関するものである。 本提案方式の超解像アルゴリズムにおいては、骨格成分のTV正則化方式によるエッジ強調のために多くの演算時間を要することが課題となってきた。この問題の解決の目的でショックフィルタを用いることを提案した。ショックフィルタは演算が簡単な反面、使い方が難しい。具体的には、画像の縁のジャギーの発生、なだらかな画像における縞状のひずみが発生する。本研究では、その原因を分析し、畳み込み演算としきい値処理を導入することによって、これらの問題を解決した。これによって本提案の超解像方式が、テレビジョンのような動画にも応用できる可能性が一挙に拓けた。 一方、テクスチャ成分の超解像方式である学習法の部分も、データベースの冗長度の削減、主成分分析などの方法により計算短縮の効果が進展した。また、テクスチャ成分の超解像のための簡易型方法として、パルスシェーピングフィルタの実験を行い、その性能と可能性を確認した。 また、超解像の前処理として必須である圧縮ひずみの除去についても性能の向上を達成し、実際の機器に応用することを目的に、GP-GPU に実装することを試みた。結果としては、時間のかかるTV正則化演算を含めて、ハイビジョンテレビ信号の1フレーム16.7msec以内に演算時間を収めることができ、本方式の実機への実装のメドが立った。 これらの成果は、ジャーナル論文2件、国際会議発表4件、国内会議発表4件の成果として発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) TV正則化法の演算時間の改善: ショックフィルタの導入成功により十分目的を果たせた。 (2) 事例学習法の処理速度の改善:データベースの冗長度削減と主成分分析によっておおよその目標を達成した。 (3) 動画像への適用の際の問題点の検討:動画像への適用を試験し、問題のないことを確認した。 (4) 画質評価法の確立:超解像度画像に適した客観的画質評価法を試験した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、骨格成分の超解像はほぼ完成しているが、テクスチャ成分に対する超解像には、パルスシャープニングフィルタによる方式と学習法による方式の2つがある。性能的には学習法が望ましいが、演算時間の短縮がさらに望まれるので、これに注力する。 また、実用化においては、すべての演算を、4K×2Kディスプレに対して、16.7msec 以内で実現する手段が必要となる。GP-GPUを使えば解があるところまで見えてきたので、さらに現実化すべく注力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
GP-GPUへの搭載のメドがついたら、実際に4Kテレビジョンに実装し、その効果をリアルタイムにて検証する。 設備備品費に50万円、旅費に30万円を使用する予定である。
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