2012 Fiscal Year Research-status Report
無線秘密鍵共有方式のための可変指向性アンテナの研究
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23560452
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大平 孝 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30395066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293754)
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Keywords | 無線秘密鍵共有 / 電波ゆらぎ / エスパアンテナ / 可変指向性アンテナ |
Research Abstract |
本研究は暗号化通信技術の一つである電波ゆらぎ方式の秘匿性を高めうる可変指向性アンテナの設計試作を目標としている.当該年度は,1)エスパアンテナの可変性能と秘匿性の関係の解析,2)USBスティック型エスパアンテナの設計および試作,の2つの研究項目を遂行した. 1)エスパアンテナの可変性能と秘匿性の関係を明らかにするため,エスパアンテナの指向性制御素子を増加させた時の鍵の秘匿性をシミュレーションで評価した.指向性の制御素子を増加させることで鍵の秘匿性向上を確認することができた.また,両正規局に可変指向性アンテナを搭載した場合(条件A)と,正規局片側に可変指向性アンテナを搭載した場合(条件B)で得られる鍵の秘匿性を比較した.結果,条件Aの可変指向性アンテナの指向性制御素子数の和と,条件Bの可変指向性アンテナの指向性制御素子数が等しいとき,得られる鍵の秘匿性はほぼ変わらないことを発見した. 2)USBスティック型エスパアンテナを,昨年度提案した可変指向性アンテナ設計指針RDC(Reactance Domain Correlation)を用いての設計試作した.アンテナの設計は,アンテナの素子間隔をパラメータとし,RDCが最も低くなる素子間隔を電磁界解析で探索した.試作においては,USBスティック形状プリント基板上に,エスパアンテナ,送受信回路,マイコン,USBインターフェース,可変リアクタンス回路を実装した.試作アンテナの指向性を測定し,指向性が可変することを確認した. 上記研究によって,初めて電波ゆらぎ方式のための可変指向性アンテナ,USBスティック型エスパアンテナの試作を実現した.現在,得られた成果のうち,成果1は国内学会で発表した.昨年度の成果および成果2の2編は電子情報通信学会論文誌に現在投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画は1)エスパアンテナの可変性能と秘匿性の関係の解析,2)USBスティック型エスパアンテナの設計および試作,の2項目ある. 1)エスパアンテナの可変性能と秘匿性の関係を明らかにするため,エスパアンテナの指向性制御素子を増加させた時の鍵の秘匿性をシミュレーションで評価した.指向性の制御素子を増加させることで鍵の秘匿性向上を確認することができた.また,両正規局に可変指向性アンテナを搭載した場合(条件A)と,正規局片側に可変指向性アンテナを搭載した場合(条件B)で得られる鍵の秘匿性を比較した.結果,条件Aの可変指向性アンテナの指向性制御素子数の和と,条件Bの可変指向性アンテナの指向性制御素子数が等しいとき,得られる鍵の秘匿性はほぼ変わらないことを発見した.以上より,当該年度の研究計画以上に進展している. 2)USBスティック型エスパアンテナを,昨年度提案した可変指向性アンテナ設計指針RDC(Reactance Domain Correlation)を用いての設計試作した.アンテナの設計は,アンテナの素子間隔をパラメータとし,RDCが最も低くなる素子間隔を電磁界解析で探索した.試作においては,USBスティック形状プリント基板上に,エスパアンテナ,送受信回路,マイコン,USBインターフェース,可変リアクタンス回路を実装した.試作アンテナの指向性を測定し,指向性が可変することを確認した.以上より,当該年度の研究計画をほぼ100%達成した. 上記をまとめると,当該年度の計画は十分に達成した.現在,それら成果を論文にまとめている.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,当該年度で試作したUSBスティック型エスパアンテナを用いて,電波ゆらぎ方式を用いた鍵生成共有システムを構築する.また,これまでの研究成果をまとめて,国際会議,展示会,論文投稿等の広報活動に力を注ぐ.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度は国際会議,展示会,論文投稿などの広報活動を十分遂行するために研究費を活用する.必要品目を下記に示す. 品目1:論文掲載費(予算額30万程度) 品目2:旅費(予算額30万程度)
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Research Products
(4 results)