2013 Fiscal Year Annual Research Report
非相反性進行波共振器からなるビーム走査アンテナに関する研究
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23560454
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (90293985)
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Keywords | メタマテリアル / 負屈折率媒質 / 非相反回路 / 非可逆回路 / 進行波共振器 / ビーム走査アンテナ / フェライト |
Research Abstract |
本研究では,次世代無線通信技術への応用を目的として,従来技術のフェーズドアレーアンテナに比べて簡単な構成で,しかも簡素な制御システムを有するビーム走査アンテナの動作実証を目指す.定在波型の伝送線路共振器であるにもかかわらず進行波共振器と同じ電磁界分布を示す,単一の非相反性共振器からなるビーム走査アンテナの実現を目指す.このアンテナは単体の共振器から構成されており,動作周波数を固定したままアンテナサイズを自由に設定することができるという特長をもち,その結果ビームの指向性および利得をアンテナサイズにより所望の値に設定できるところにある.研究期間内において明らかにすべき点は以下のとおりである. 1)アンテナサイズと指向性,動作帯域幅,および放射利得の周波数特性の関係.2)外部印加磁界を変化させることによる非相反性の大きさのチューニングおよび放射ビームの走査角の関係.3)ビーム走査と独立に,数少ない制御パラメータで主偏波方向を自由に回転制御することができることを数値計算および実験的に実証すること. このうち,1)と2)は平成23年度中にほぼ達成している.平成25年度においては,3)を達成するための研究として,進行波共振器が相反線路からなる0次共振器の場合,放射波の主偏波は直線偏波となるが,両端の反射器に挿入されたバラクタへの印加電圧を変化させることにより,60度以上回転することを実験的に確認した.さらに、非相反性線路の持つ非相反性を近似的に定式化に成功し、ビーム走査アンテナへの応用として、動作周波数を変えるとビーム方向が変動してしまうビームスクイントの問題を解消する新しい設計手法を提案した.
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