2012 Fiscal Year Research-status Report
カオス理論とシフトレジスタに基づいた符号系列の設計と応用
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23560460
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
常田 明夫 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (40274493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 大三郎 崇城大学, 情報学部, 准教授 (70435147)
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Keywords | Gold系列 / CDMA / 非線形フィードバックシフトレジスタ / 負相関系列 / ユニポーラ符号 / オンオフキーング / 測位システム |
Research Abstract |
1.非同期DS/CDMA通信で有用な負相関スペクトル拡散符号は、一次元カオス写像を利用することによって生成可能であるが、一般に、その符号生成器は従来のLFSR(線形フィードバックシフトレジスタ)よりも複雑で高価となる。本研究では、LFSR回路により生成されるGold系列を、カオス理論に基づいて構成した論理関数を用いて負相関系列に変換する手法を提案し、提案系列が、加法性白色ガウス雑音(AWGN)環境下での非同期DS/CDMA通信において、元のGold系列よりも低いビット誤り率(BER)特性を示すことを明らかにした。 2.ユニポーラ符号を用いた光CDMA通信方式として、バイポーラ符号の相関特性を活かせるSIK(Sequence Inversion Keyed)方式が提案されている。本研究では、 非線形フィードバックレジスタ(Nonlinear Feedback Shift Register; NFSR)によって生成されるde Bruijn系列およびこれを負相関化した系列を用いて、SIK方式非同期DS/CDMA通信のシミュレーションを行い、ビット誤り率(BER)特性を評価し、NFSR系列の有効性を明らかにした。 3.オンオフキーングCDMA方式とTDOA(time difference of arrival)を用いた超音波による測位システムを想定し、Gold系列およびNFSR直交系列をスペクトル拡散符号として用いた場合の測位シミュレーションを行い、各系列を用いた場合の相関受信機の出力特性、同期点検出能力、および測位精度について評価した。その結果、非平衡Gold系列では、同期点のピーク値が低くなっているものがあり、用いる符号は平衡系列が望ましく、また、実用的な測位のためには、チップレートを10kcps程度以上にする必要があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、カオス理論とLFSR/NFSRに基づいて設計した負相関符号系列のCDMA通信における性能(ビット誤り率)や測位システムにおける性能を調査し、関連の研究発表も多数行ったため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、カオス理論とLFSR/NFSRに基づいた符号系列の設計と応用について検討する。特に、CDMA技術とTDOAを利用した超音波屋内測位システムに提案符号系列を応用した場合の性能評価や光CDMA通信への応用について検討する。また、NFSRの暗号システムへの応用や誤り訂正符号への応用についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後、超音波を用いた屋内測位システムや、LEDを用いた可視光通信の簡易実験を行う予定であるため、平成24年度から繰り越した研究費は、そのような実験器材のために使用する計画である。また、国内外での研究発表も積極的に行っていく。
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Research Products
(16 results)