2012 Fiscal Year Research-status Report
無線環境センシングのハイアラキ型推定に関する実践的研究
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23560463
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡 育生 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80160646)
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Keywords | 信号検出 / 変調識別 / 適合度検定 |
Research Abstract |
本年度は,シンボルバイシンボル変調における信号検出と変調識別に適した方式として修正アンダーソンダーリン検定法を提案し,その評価を行った。まず,クラーメルフォンミーゼス検定,アンダーソンダーリン検定,修正アンダーソンダーリン検定をBPSKと16QAMに適用し,修正アンダーソンダーリン検定の信号検出性能が最も良いことを明らかにした,変調識別では,判定変数にカイ二乗分布を適用すれば,ガウス分布を適用する場合より,変調識別性能が改善することを示した.また,確率密度関数の適合度検定を信号検出に適用すれば,BPSKと16QAMの信号検出において,修正アンダーソンダーリン検定と同等の優れた信号検出確率となることを示した.さらに,変調識別に適用することを目的として,実波形に基づく振幅モーメントシミュレーションを開発した.16QAMと64QAMにおいて,周波数オフセットとタイミングオフセットが存在する場合の振幅モーメントを求め,振幅モーメントからこれらのオフセットを推定する方法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は,次の3項目について成果が得られ,概ね,計画通りの成果が得られた. ・信号検出:修正アンダーソンダーリン法を提案し,クラ-メルフォンミーゼス検定,ならびに,アンダーソンダーリン検定より優れた信号検出確率を示すことができた. ・変調識別:判定変数にカイ自乗分布を適用して識別誤り率を改善した. ・周波数オフセットとタイミングオフセットへの対応:これらのオフセットに起因する符号間干渉が存在する場合の振幅モーメント シミュレーションを実現した,
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,これまでに得られた結果の拡張に加えて,次の項目の検討を行う. ・周波数オフセットとタイミングオフセットが存在する場合の,振幅モーメントの解析を行う. ・ブロック変調の識別について,ブロック長が16,32,64の長い場合に有効となるブロック変調識別法を開発する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
周波数オフセットとタイミングオフセットに起因する符号間干渉が存在する場合の振幅モーメントシミュレーションの改良には,通信路環境を考慮する必要があり,学生のプログラム作成補助が必要となり,このための謝金を用いる.今年度の成果で未発表のものがあり,次年度での研究成果を含め,3件の国際会議と4件の国内会議での発表を予定しており,このための旅費を支出する.その他,得られた成果を学会論文とするための,論文掲載費を支出する.
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