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2012 Fiscal Year Research-status Report

地上ディジタルテレビ放送波を用いたヒト検知システムの実用化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560464
Research InstitutionHiroshima City University

Principal Investigator

西 正博  広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30316137)

Keywordsヒト検知 / 地デジ / 検知確率 / 高性能化 / 外乱
Research Abstract

平成24年度には,これまで開発してきた地上ディジタル放送波を受信できるチューナにより,引き続き,CNRおよびBERのヒトの動きによる変動を連続取得して,その特性を評価した.また,屋内にのみにアンテナを設置するだけでなく,屋外にもアンテナを設置し,外乱によりCNRやBERが変動することに起因する誤検知を低減できる「協調検知手法」の有効性を実測結果により明らかにした.
さらに本年度では,ワンセグチューナを利用して,ヒト検知システムを新たに構築した.これまでは,フルセグチューナを用いていたため,より低い受信レベルでもシステムが動作し,さらに狭い帯域での変動をモニターするため気象等の影響を受けにくいことも長期連続測定により確認することができた.また,取得したCNR等のデータをリアルタイムにグラフ化することで,例えば遠隔地からその瞬間のデータ変動の大きさを確認することを可能とし,ヒトの動きを視覚的にとらえることができるようになった.
その他,本年度では,テレビ放送波の電波のみならず,トランシーバーの電波やそれに搬送される音声信号,ならびに,KINECTなどで用いられている赤外線による人体骨格検出,カメラによる画像検出等との連携ならびに比較にて,ヒト検知性能の評価を行った.特に,カメラ,赤外線に比べて,テレビ放送波等の電波を利用するメリットとして,暗い場所,陰になる場所においても,より高精度でヒトを検知できることを明らかにした.また音声信号と連携して検知を行うことで,ヒト以外の車やバイクなどの外乱による誤検知を低減することも確認できた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書の「研究の目的」には,これまで申請者らが提案してきたテレビ放送波を用いたヒト検知システムを長期安定稼働する際における課題を解決し,ロバストネスの高い検知システムの実用化を目指すことを記載していた.デジタル化に伴い,受信レベルのみならず,CNRおよびBERを用いた検知システムを構築し,複数のデータを検知に用いるマルチディテクションの手法の検討を行い,有効性を評価した.また外乱による誤検知を低減するため,屋内と屋外にテレビ受信アンテナを設置し,連携して検知を実現する協調検知の手法の検討を行い,誤検知低減効果を確認した.さらに,ワンセグチューナを用いたCNRおよびBERの長期連続測定ならびに,検知システムの運用を行うことにより,1年以上の安定動作を実現した.安定動作実現には,ウォッチドッグ機能を実装し,メモリの不具合等でモニターが停止した場合には,数分で自動的に復帰することを可能とした.なお,ヒト検知と同時にモニタした静止画像を自動的にアップロードし,遠隔にて確認できるシステムも構築した.これにより,ロバストネスの高いシステムを実現できていると考えられ,研究の目的に対する現在の達成度は,おおむね順調に進展しているといえる.

Strategy for Future Research Activity

平成25年度には,前年度に引き続き,開発したヒト検知システムの安定動作を継続して行う.ワンセグチューナを用いた検知システムにおいて,Windows8などの新しいOSやUSB3.0の入力ポート等に対応するよう,システムの改良を行っていく.また,実環境における性能評価として,デジタルサイネージへの応用も検討している.デジタルサイネージでは,コンテンツを電子的に描写する広告媒体であるが,人が近づいた時のみディスプレイを表示させることで,省エネルギー化が期待できる.デジタルサイネージの設置場所は,室内ではなく,廊下,店舗の前,など室外であることが多く,屋外を含めたオープンな環境でのヒト検知性能の評価が重要となる.なお,屋外設置であれば,検知データを発信するために,無線LANや携帯電話網を介して,システムのネットワーク化を実現する必要もある.今年度は,このように,実環境において,安定動作するためのシステム構成を確立していく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記の研究推進方策にも述べたように,平成25年度には,実環境でのヒト検知システムの安定動作を目的に開発を進める予定である.特に室外のオープンな環境での評価を行っていく際に,ネットワーク化や,省電力PC等が必要となるため,これらの必要となる物品購入および通信回線に研究費を使用する予定である.
また,得られた成果は,タイムリーに国際会議や国内学会および学術論文誌にて発表を試み,またデモ展示の機会があれば積極的に参加する予定である.これらの旅費や論文掲載料にも研究費を使用する予定である.

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] FM放送波を用いた地上ディ ジタルTV放送波オーバーリーチ伝搬特性の推定2013

    • Author(s)
      小森弘貴,坪島知也,西正博,新浩一,吉田彰顕
    • Journal Title

      Journal of Atmospheric Electricity

      Volume: Vol.33,No.1 Pages: pp.1-8

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] テレビ放送波を用いたヒト検知システムにおける 誤検知低減のための協調検知手法の提案2012

    • Author(s)
      前田貴博,西正博,新浩一
    • Journal Title

      電子情報通信学会論文誌B

      Volume: Vol.J95- B, No.10 Pages: pp.1353-1363

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ダクト伝搬を考慮したテレビ放送波 オーバリーチ伝搬損失の検討2013

    • Author(s)
      西 正博,原田洋輔,新 浩一,吉田彰顕
    • Organizer
      電子情報通信学会総合大会
    • Place of Presentation
      岐阜大学
    • Year and Date
      20130318-20130322
  • [Presentation] オーバリーチ地上ディジ タル放送波の観測2013

    • Author(s)
      新 浩一,坪島知也,高橋幸司,西 正博,吉田彰顕
    • Organizer
      電子情報通信学会総合大会
    • Place of Presentation
      岐阜大学
    • Year and Date
      20130318-20130322
  • [Presentation] 地上ディジタル放送波 のオーバリーチ伝搬特性2012

    • Author(s)
      坪島 知也, 髙橋 幸司, 新 浩一, 西 正博, 吉田 彰顕
    • Organizer
      第14回IEEE広島学生シンポジウム
    • Place of Presentation
      岡山県立大学
    • Year and Date
      20121117-20121118

URL: 

Published: 2014-07-24  

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