2011 Fiscal Year Research-status Report
携帯電話位置情報に基づくユーザ協調型道路交通状況推定方式
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23560467
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
上岡 英史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90311175)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 位置情報 / GPS / 加速度センサ |
Research Abstract |
本年度は,(1)関連研究調査,(2)GPSによる位置精度確認実験,(3)交通手段の違いによる速度変化(加速度)測定実験,の3点に絞って研究を行った.以下,その詳細について述べる.(1) 関連研究調査に関しては,既存のITS分野における自動車の振る舞いや車種検出方法についてのサーベイを行い,その検出精度にと汎用的な適用の可能性について考察した.特に,penetration rateが低い場合には,検出精度が劇的に低下するという事実が明らかになり,本研究を遂行する上で最も注意すべき点であることを認識した.(2) GPSによる位置精度確認実験に関しては,携帯電話のGPS機能によって得られる位置精度を,実際に利用する条件下で実験によって取得し,提案手法の適用可能ケースを絞り込んだ.具体的には,道路幅および高層ビルからの距離に対する位置精度,ビル内外の判定精度などを検証した.その結果,14階程度の建物であれば,建物から十数メートル離れていればGPS信号を正確に取得することが可能であるということが分かった.(3) 交通手段の違いによる速度変化(加速度)測定実験に関しては,携帯電話に内蔵されている加速度センサを利用し,速度変化(加速度)の精度を検証した.その際の交通手段は,車種として乗用車,バス,オートバイ,そして,徒歩を含む計4つの場合について測定した.精度の検証の結果,携帯電話に内蔵されている加速度センサを用いて,上記4つの車種を区別するのに十分な精度を得ることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助金申請時の研究計画をすべて実施し,必要とされる検証および考察を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた結果をもとに,(1)徒歩(屋内静止状態を含む)判定,(2)車1台あたりの乗車人数判定,(3)車種の判定,という3つの判定方法を組み合わせることで,乗用車,バス,オートバイ,徒歩の判定が可能かどうかを検証する.具体的には,以下の方法で可能であると仮説を立てているが,検証結果が正しくない場合はその原因を探り再検証する.(1)徒歩判定: 地図情報を利用して道路上でない場合は車ではないと判定し,交通状況推定には利用しない.(2)車1台あたりの乗車人数判定: 位置情報および速度変化情報の同一性から,1台の車に乗車している人数を推定する.8人以上の場合はバス,3人から7人の場合は乗用車またはバス,3人未満の場合は不定となる.(3)車種の判定:速度変化からオートバイ,乗用車,バス,徒歩を判定する.ただし,判定するための閾値設定は困難であるため,実測値データをもとにANN(Artificial Nural Network)を用いて判定する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では実験装置自体を製作し,また,測定結果の解析を行うことが中心であるため,コンピュータ2式を整備する.具体的には,位置情報データ処理用サーバ(デスクトップPC1式)と,位置情報取得用モバイル端末(ノートPC1式)である.また,携帯電話網の代わりに無線LANを用いて実験を行うため,無線デバイス機器等を消耗品費として計上する.さらに,位置精度測定および速度変化測定のためにフィールド実験を何度も行い,また,膨大なデータ量を処理する作業があるため,それらの実験補助として学生アルバイト用謝金を計上する.研究ステップごと(おおよそ3か月)に成果をまとめ,学会発表および国際会議発表を行うため,4回の国内外旅費を計上する.
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