2011 Fiscal Year Research-status Report
超広帯域サービスを経済的に提供可能な光アクセスネットワーク構成法に関する研究
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23560475
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
上田 裕巳 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (80367200)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | PON / ONU / ディジタル変調 / QAM / サブキャリア / 多重 / クリップ / 送信電力 |
Research Abstract |
より高速なサービスを経済的に提供可能とする目的で,複数のサブキャリアに基づくディジタル変調を用いたSDM-PON (Subcarrier Digital Modulation Passive Optical Network)を提案した.SDM-PONはディジタル信号処理が適用でき,経済的にONU (Optical Network Unit)が実現できる可能性がある. 常時1 Gbpsのユーザサービスを前提に,SDM-PONについて,検討の第1歩として,32台のONUを収容する16-QAMを用いた電気OSDM-PONの実現性をシミュレーションにより評価した.サブキャリアの最小周波数1.5 GHz,最小間隔0.5 GHzを明らかにした.また,64-QAM,256-QAMも同様に実現性を評価した.このときのサブキャリアの最小周波数,最小間隔について,16-QAMと比較して期待した以上にサブキャリアの最大周波数が抑えられないことが分かった. また,16台のONUを収容する16-QAMを用いた光SDM-PONの実現性をシミュレーションにより評価した.ビート雑音の影響で各ONUは異なる波長を用いる必要があることが分かった.サブキャリア間の干渉を少なくする各波長へのサブキャリア周波数の割り当て方法を提案した.このとき,サブキャリアの最小周波数1.5 GHz,最小間隔1.0 GHzを明らかにした. 上の光SDM-PONの検討では,ONUは変調信号に直流成分を加えてプラス成分のみにした後に,光変換して送信する方式を用いた.ONUにおける送信電力の低減をねらいとして,変調信号のマイナス成分をクリップし,光変換して送信する方式を提案した.ONU 8台までのSDM-PONについて,提案方式の実現性をシミュレーションにより明らかにした.提案方式の送信電力の一次評価を行い,効果を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
16-QAM,64-QAM,256-QAMについて,32台を収容する電気SDM-PONにおけるサブキャリアの最小周波数,最小間隔を明らかにすることができた.電気および光のSDM-PON受信側における復調前に用いるバンドパスフィルタについてBessel Filer型を用いた特性を明らかにすることができた.光信号の送信法についてクリップして送信する方法の実現性を明らかにすることができた.この結果,送信電力の低減化の目安をつけることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
光SDM-PONにおけるクリップ送信方式の実現性について更に追求していく.この中で今年度一次評価した,送信電力の比較を更に詳細に行う.また,各ONUと光スプリッタの距離を種々変化させ,光SDM-PONの特性を評価し,正常な伝送を可能にする方式を追求する.SDM-PONに誤り訂正符号の適用を行い,効果を評価する.16-QAM,64-QAM,256-QAMについて,ユーザ速度と光ドメインでの広がりを明らかにする.また,バンドパスフィルタについて,バタワース等他の種類のものについても特性を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,当初の予算計画より国際会議や国内の研究会参加等の旅費の方に支出が必要になり,その分物品費を減らして対応した.その結果として,約3万円を次年度に繰り越すこととなった.次年度は,これまでの研究成果の発表や最新の技術動向の調査のために,国際会議や国内の研究会や大会に参加するための経費(旅費,参加費,別刷り代等)に使用する.また,研究遂行のために実施するシミュレーションに必要となる謝金等にあてる.
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