2011 Fiscal Year Research-status Report
符号を使ったダイバーシチ通信方式の特性とハードウエア試作
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23560480
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
太刀川 信一 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (70155084)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | スペクトル拡散通信方式 / 直接拡散方式 / 符号分割多元接続 / ダイバーシチ方式 / 符号ダイバーシチ / 拡散系列 / 2値系列 / 他局間干渉抑圧 |
Research Abstract |
今後、無線・有線通信では、より多くユーザに安定した通信環境を整えていく必要があり、そのための符号分割多元接続(CDMA)の特徴を生かした新たなダイバーシチ方式を提案、実現する。符号ダイバーシチ方式は、一局にいくつかの系列を割り当て、その合成系列に情報を負荷して送信し、受信機ではそれらとの相関をとり、ダイバーシチ枝として重み係数を乗じて加算し復調する。考え方はシンプルであるが、符号系列の設計、ダイバーシチの重み係数の設定は解析上、学術的にも興味深い。本年度は、符号系列検討の結果、新たな拡散系列構成法を考案した。符号ダイバーシチの要素となる各系列を2値のディジタル系列で構成し、それらの合成である拡散系列もまた2値ディジタル系列となる系列である。符号長の短いM系列をシフトした系列を縦列に接続して構成する。あるいは、1チップのみ極性を反転した系列の縦列接続でも可能である。この系列を使用することにより、ハードウエアの構成が容易となる。すなわち、信号増幅回路で、消費電力の少ない素子で構成が可能、振幅リミッタが有効に使用可能、受信機の相関検出の逆拡散回路の乗算部で高速乗算が可能となる。また、この系列の構成手順を検討し、ビット誤り率での性能評価を行い、干渉妨害に対して、符号ダイバーシチの性能が十分に発揮できること、従来の符号ダイバーシチと比較しても大きく劣化しないこと等、その有効性を示した。さらに、ハードウエア実験として、基本的な直接拡散/スペクトル拡散通信方式の送受信機を試作し、その基本動作を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
はじめ考えていた長い拡散系列を使用する方式よりも、よりハードウエア上、有効な新たな拡散系列を提案できた。すなわち、符号ダイバーシチの要素となる各系列を2値のディジタル系列で構成し、それらの合成である拡散系列もまた2値ディジタル系列となる系列を見出した。本研究目的である、より有効な符号ダイバーシチの実現化という点からも評価できる。また、その特性を検討し、本方式の有効性を示した。さらに、ハードウエア実験として、基本となる直接拡散/スペクトル拡散通信方式の送受信機を試作し、動作を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回提案した2値ディジタル値による拡散系列の生成法の展開、より詳細な特性(ビット誤り率評価等)の調査を進める。また、さらに、新しい拡散系列の可能性や符号ダイバーシチの構成法についても継続して検討を進める。ハードウエア試作も進めていき、符号ダイバーシチの実現を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の残額と平成24年度研究費とを合わせて、ハードウエア試作のための消耗部品、ならび、研究発表のための旅費として使用する計画である。
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