2011 Fiscal Year Research-status Report
詳細モデルに基づくマルチカーエレベータ群管理システムの高度化
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23560483
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90324657)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マルチカーエレベータ / 群管理 / モデル化 / 衝突回避 / 呼び割り当て / 最適化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現実的な状況を想定した詳細なモデルに基づき,マルチカーエレベータ群管理の高度化を図ることである.平成23年度は以下の二点を中心に研究を行った.まず,エレベータホールで待機中の乗客に乗車かごを案内する方式として,即時案内方式だけでなく非即時案内方式も扱えるよう,かご間の衝突を回避する既提案の方法を拡張した.また,非即時案内方式において乗客(呼び)をかごへ割り当てる方法として,いったん決定した割り当てを局所探索法により動的に変更していく方法を構成した.そして,拡張した衝突回避方法とこの割り当て方法を組み合わせた計算機シミュレーションを行って,即時案内方式を用いた場合と輸送効率を比較した.その結果,非即時案内方式により輸送効率の向上が可能となること,また,呼び割り当ての際に用いる評価関数・乗客の発生パターンによってその改善度合いが変化することを示した.以上の結果について国際会議で発表を行った.つぎに,各エレベータシャフトに2台ずつのかごが設置されたシステムしか扱うことができなかった衝突回避方法を,任意台数のかごを扱えるよう拡張した.この衝突回避の枠組では,各かごが次に向かう階を動的に最適化していく.その際には,次に向かう階の候補を,その階以降の運行を予測したものを用いて評価し,もっとも評価のよい階を採用する.この予測に用いるモデルを,任意台数のかごを扱えるよう改善するとともに,その他いくつかの改善を行った.そして計算機シミュレーションにを行って,3台以上のかごにも適用できること,また,かご台数が2台の場合,従来の衝突回避方法より輸送効率が改善されることを示した.以上の結果について国内会議で発表予定であり,また国際会議への投稿も行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の当初目標である,1. 同一シャフト内のかご間の衝突回避方法を,非即時案内方式も扱うことができるよう拡張する,2. 衝突回避方法を,シャフト内のかご台数が3台以上の場合へ拡張する,が達成できており,おおむね予定どおり進んでいると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降に繰越した額は4,000円弱と少額であり,ほぼ計画どおりに研究費の執行が行われている.したがって,次年度以降も当初計画にしたがって研究を進めていく.平成24年度は,呼び割り当ての評価や衝突回避に用いる内部モデル(簡略モデル)の検討,構築,改善を中心に研究を行い,平成25年度は呼び割り当て手法の検討,構築を中心に研究を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費の主たる用途としては,国内・国際会議での研究発表および資料収集に必要な旅費・参加費と,アルゴリズム評価やシミュレータ開発・シミュレーション実行に必要な計算機の購入費を予定している.これは当初の計画通りであって,現時点で変更の必要性は生じていない.
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Research Products
(1 results)