2013 Fiscal Year Annual Research Report
詳細モデルに基づくマルチカーエレベータ群管理システムの高度化
Project/Area Number |
23560483
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324657)
|
Keywords | マルチカーエレベータ / 群管理 / モデル化 / 衝突回避 / 呼び割り当て / 最適化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現実的な状況を想定した詳細なモデルに基づき,マルチカーエレベータ群管理の高度化を図ることである.平成25年度は,以下の2点をおもな目的として研究を行った. 1点目としては,前年度に引き続いて簡略化モデルの検討を行った.前年度はオフラインの状況のみを対象としていたが,本年度は,乗客(呼び)が次々に発生するというオンラインの状況下において,簡略化モデル上でかご間の衝突を回避しつつ乗客を運ぶという問題を混合整数計画問題として定式化し,計算機実験によりモデルの妥当性を検討した.その結果,オフラインの場合と同様,停車のロスを考慮することの重要性や適切な呼び割り当ての必要性が明らかになった.さらに,単純にサービス完了時間(乗客が発生してから目的の階で降車するまでの時間)の平均を評価関数として最適化すると,最大サービス完了時間が悪化すること,また,評価関数にサービス完了時間の2乗平均を用いることでこの問題を回避できることも明らかとなった. 2点目としては,詳細モデルに基づく呼び割り当て方式の検討を計算機シミュレーションにより行った.まず,同一シャフト内のかごの選択に関しては,各かごの担当階を決めるゾーニングが有効であることが示された.そこで,確率モデルに基づいて各かごの担当階の最適な配分を検討した.その結果,ほぼ等間隔に担当階を決定するのが効率的であることが明らかとなった.つぎに,シャフトの選択に関しては,かごが1階に戻ってくる周期に注目した方法や乗客のサービス完了時間を用いる方法など,いくつかの方法を検討した結果,サービス完了時間と待ち時間の予測値を組み合わせた指標を用いる方法がもっともよい結果となった. 1点目の成果および平成24年度の成果に関して,国内・国際会議で発表を行った.一方,2点目に関しては,今後発表を行っていく予定である.
|
Research Products
(3 results)