2012 Fiscal Year Research-status Report
生産スケジューリング業務プロセスモデリングによるシステム化規範構築に関する研究
Project/Area Number |
23560489
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤村 茂 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00367179)
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Keywords | 生産スケジューリング / 業務プロセスモデリング / システム化規範 / システム構築方法論 / 意思決定 / 生産管理 / オーダ |
Research Abstract |
本研究課題では,生産スケジューリングの業務プロセスのモデリングを行い,システム化規範を構築することを目的としている.具体的には業務プロセスのモデリング手法を明確にし,そのモデリング手法に適合するシステム化モジュールの機能およびインタフェー ス仕様を定め,これらのモデリング手法およびシステム化モジュール上でのシステム化規範を提案することである. 本年度は,中小企業における生産スケジューリングシステムの導入をターゲットとしたスパイラル進化型生産スケジューリングシステムを提案した.企業環境では,製造プロセス,利用設備,利用処方,製品,業務などが常に変化している.このような変化に対して,システムは停止することなく継続的に運用しなければならない.しかし,従来の生産スケジューリングシステムは,このような変化に対してマスタ情報を修正したりシステム自身の機能を修正したりする必要があり,継続的な運用が行えない.そこで,本提案では,スケジューリング業務と製造プロセスの改善作業を同期化させ,これらの業務をサポートする機能を整理している. また,本研究を推進するためには,実際の業務に関連しているスケジューリングシステム・ベンダー,およびユーザとの議論が必要である.そこで,2012年4月より,電気学会C部門システム技術委員会において「生産スケジューリング業務のシステム化規範に関する協同研究委員会」を設置し,本委員会のメンバーと議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は以下の3つの目標に対して検討を行った. 1)スパイラル進化型システム開発規範の提案:業務プロセスモデルとして,スパイラル進化利用を行えるモデルを提案した.また,この業務プロセスモデルに従って,システム化を行う際に必要となるシステム化モジュールの機能・インタフェース仕様を明確にしプロトタイプシステムを開発した.プロトタイプの実装のためには,研究代表者が既に先行研究で開発している生産スケジューリングシステムSheMeを利用し,さらに情報入力用のAndoroid端末のソフトウェアも開発した. 2)企業ヒアリングによるモデルの評価:4つの企業に対して業務プロセスモデリングを行うためのヒアリングを実施した.具体的には,1)で構築したスパイラル進化型のシステム開発規範の提案に基づいて開発したツールを利用してもらい,この提案モデルの有効性を評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,以下の内容を実施することを予定している. 1)システム化モジュールの設計・実装:前年度行ったシステム化モジュールの設計・実装を引き続き行いプロトタイプシステムの機能を拡張する. 2)システム化規範の構築および評価:スパイラル進化型のシステム開発規範を基本とし,汎用的に利用できるシステム化モジュールを利用したシステム化規範をまとめ,スケジューリング委員会の委員との議論を行う.システム化規範とシステム化モジュールの整合性を評価する.また,ヒアリングを行った企業でない他の企業の実際の製造過程で,本システム化規範に従ったモデリングの実施とシステム化モジュールによるシステム開発によって本研究で提案したシステム化規範の評価を行う. 3)システム化規範,システム化モジュールの技術公開:本研究で構築したシステム化規範およびシステム化モジュールの概念を学術論文として仕上げ技術公開を行う.また,Web上での技術公開も行い,広く技術の普及・啓発活動を実施することを予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・旅費等:近郊の多くの企業および遠地2社の企業のプロトタイプの評価を予定している.また,本年度ヒアリングした企業および次年度予定している企業の合計6社について,本研究の評価およびフォローアップのために数回出張を予定している.その他,研究調査および研究成果の発表査のために,国際会議への参加の出張を1回予定している. ・謝金等:企業で行うヒアリング情報の記録のため,およびシステム化モジュールのソフトウェア開発のため研究協力者の人件費を予定している.
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Research Products
(2 results)