2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560494
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒川 元孝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00333865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛引 淳一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50108578)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 超音波マイクロスペクトロスコピー技術 / 超精密超音波計測 / 機能性ガラス / 石英ガラス / 構造解析 |
Research Abstract |
ガラス材料は、添加物(ドーパント)を加えることにより屈折率や膨張率などの物理特性を大きく変えることが可能である。所望の特性を有するガラスを作製するためには、作製したガラスを適切に評価するための計測技術が重要である。本研究代表者らは、物質・材料の音響特性を非破壊・非接触的に定量計測する「超音波マイクロスペクトロスコピー(UMS)」技術の基礎研究および材料評価への応用に関する研究を進めている。 本研究の目的は、ガラス材料の分野における新しい評価技術としてUMS技術を用いた方法を確立することである。機能性材料として開発が進められている合成石英ガラス、フッ素ドープSiO2ガラス、結晶化ガラスを取り上げて、UMS技術により評価を行うとともに、従来のガラス材料評価法と比較することにより、ガラス材料評価法としての有用性を示す。さらに、ガラスの構造解析ツールへの発展を目指す。 本年度の成果は以下のとおりである。(1)UMS技術の高機能ガラス材料への応用の開拓[1-1] 石英ガラス:純粋な石英ガラスは、SiO2が100%であり、石英系ガラスの基本となる。石英ガラスは作製法により残留不純物濃度(OH、Clなど)が異なる。直接合成法とVAD法により作製した合成石英ガラス基板に対して、小型ボックス炉を用いて試料の熱処理を行い、仮想温度を変えた試料を作製した。仮想温度と23℃における音響特性(縦波音速、漏洩弾性表面波速度、密度)の関係を求めた。また、市販合成石英ガラスインゴットの均質性評価を行った。 [1-2] フッ素ドープ石英ガラス:SiO2ガラスにフッ素をドープするとSi-O-Sの結合が切断され、構造がより開放的になると考えられる。フッ素(F)をドープしたSiO2ガラスに対して、石英ガラスと同様に熱処理を行い、仮想温度と23℃における音響特性の関係を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石英ガラスとフッ素ドープ石英ガラスに対して、仮想温度を変えた試料の作製を進めた。また、それらの試料に対して、密度、縦波音速、漏洩弾性表面波速度の測定を行い、仮想温度と音響特性の間の関係を得ることができた。 フッ素濃度が高くなると構造緩和時間が短くなるため、熱処理の冷却時に構造緩和が進み、仮想温度が低下する。このため、フッ素濃度が高い試料に対しては、熱処理温度にかかわらず音響特性がほぼ一定になる結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果を踏まえ、フッ素をドープした石英ガラスに対しては、フッ素濃度に応じて、純粋な石英ガラスよりも熱処理温度を低くして熱処理を行うことにより、音響特性の仮想温度依存性を求める。また、熱処理を行った石英ガラスとフッ素ドープ石英ガラス試料から線膨張係数(CTE)測定用の試料を用意し、押し棒式熱膨張計により、CTEの温度依存性を測定する。 また、結晶化ガラス試料に対しても、音響特性の周波数特性の測定を行い、結晶相の大きさと速度分散性、減衰係数の周波数特性の変化について議論する。 また、従来法として、蛍光X線分析法による化学分析、赤外吸光分光法、ラマン分光法による仮想温度の測定を行う。また、光学特性(屈折率、透過率)、ラマン散乱計測、ブリリュアン散乱計測による弾性率の測定、電子スピン共鳴装置による欠陥の測定を行い、UMS技術による音響特性との間の関係を比較する。 これらの結果をもとに、石英系ガラスの構造と音響特性の間の関係を議論する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として、ガラス基板に150,633円、電子部品に10,000円、薬品に20,000円使用する。 旅費として、成果発表旅費に330,000円使用する。 人件費・謝金として、研究補助に20,000円、外国語論文の校閲に60,000円使用する。 その他の経費として、研究成果投稿料に80,000円、学会参加費に20,000円、ガラス試料研磨料に120,000円、CTE測定依頼料に100,000円、分析依頼料に100,000円使用する。 次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)