2014 Fiscal Year Research-status Report
表面改質層センサを利用したステンレス鋼の高精度劣化診断システムの開発
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23560503
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 勝之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (80325240)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 非破壊評価 / ステンレス鋼 / 表面改質層 / マルテンサイト相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,電磁交流インピーダンス法(EMI)と加工変質層センサを用いて,ステンレス鋼の高精度劣化診断システムを開発することである.本年度は,引張変形によって10%と30%の予ひずみを与えた試験片と予ひずみ無しのSUS304鋼試験片に,引張繰返し変形を負荷して,その透磁率特性に与える繰返し変形の影響を調査した.また,計測方向の異なる二つのコイルと電磁石の方向を変えることによって,試験片長軸方向と幅方向の試験片透磁率と繰り返し数との関係を調べた.そして,実験条件を最大繰返し数4000,引張繰返し応力430MPaとして,低サイクル疲労試験における疲労初期段階でのSUS304鋼の透磁率特性の変化に焦点を当てて計測を行った.さらに,繰返し変形による透磁率特性の変化要因を調べるために,繰返し試験後の試験片に焼鈍し処理を施して,透磁率特性を計測した.その結果,以下のことがわかった.①SUS304鋼の透磁率特性は,繰返し数によって変化するが一定の増加傾向や減少傾向は現れない.②SUS304鋼の透磁率特性の繰返し変形による変化量には予ひずみ依存性がある.③繰返し変形によるSUS304鋼の透磁率特性の変化を生じさせる主要因を特定できた.さらに,来年度の研究で用いる小型平面曲げ疲労試験機と制御ソフトを製作し,試験運転を行った.その結果,一部剛性不足が判明したため,再設計を行い,問題点の改善を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予想よりも計測難易度が高い状況が生じたため,計測方法の改良に時間を要し計画に遅れが生じた.ただし,その過程で計測方法は確立できたため,本年度のみで見るならば順調に予定を達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,作製した平面曲げ疲労試験機を用いて,高サイクル疲労試験を行い,表面改質層センサによる劣化診断が可能か調査する.
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Causes of Carryover |
本年度で疲労試験を終了できなかったため,未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.試験片などの材料購入費および加工費 2.ひずみゲージ,薬品や研磨粉などの消耗品 3.自作疲労試験機の部品制作費 4.インピーダンス計測治具の材料および製作費
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Research Products
(4 results)