2011 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ振動デバイス開発を促進する高感度3次元振動モード可視化システム
Project/Area Number |
23560507
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡部 泰明 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (60175130)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ振動デバイス / 可視化 / 振動変位分布 |
Research Abstract |
我々は,比較的シンプルな機器構成で高周波デバイスの絶対振動変位を短時間で可視化するレーザ干渉計測システムを既に開発している.このシステムのマイクロ振動デバイスへの適用は,デバイスサイズに応じた光学システム,およびさらに微小となる振動変位量に対応した高輝度分解能撮像システムが必要であり,現状システムでの対応は困難である.本研究では以下を目的とした.【高倍率実体顕微鏡導入とレーザ照射システムの構築】機器更新に伴う既存測定システム(ハードウェア)の再構築,および面外方向からのレーザ照射を実現するための光学設計を行う.面外成分測定を実現するための半導体レーザの組み込みを行い,面外成分が既知の圧電振動子を用いて,システムの動作確認を行う.実際にマイクロ振動デバイス(所有するFBAR振動子)を用いて予備実験を実施する.また実験結果を整理し,測定における問題点を抽出する.【HHカメラ導入による測定感度の向上】機器更新に伴う既存測定システム(ハードウェア)の再構築,および測定処理を最適化するための設計(ソフトウェア)を行う.画像処理を最適化するためのソフトウェアの改良を行い,上記の圧電振動子を用いて,システムの動作確認を行う.ビット数による感度向上の検証,実際の測定を通して,ソフトウェアを最適化する.これまでの実験結果を整理し最適測定条件を抽出する.しかし,東日本大震災の影響により納品期日が大幅に遅れ,実験装置の組み始めが年明けになってしまった.今回の報告書では,まだ具体的な測定値などを盛り込むことはできないが,24年度は引き続き実験装置の調整,測定を行っていくこととする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響により,可視化システム構築の中核で不可欠である「顕微鏡」や「カメラ」といった機器の納品期日が大幅に遅れたため,実験装置の組み立てを始めることが年明けにずれ込んでしまった.精密なシステム構築のためには,周到な調整が必要であり,安定した測定値を得ていくことはこれからの作業となる.
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Strategy for Future Research Activity |
【高倍率実体顕微鏡導入とレーザ照射システムの構築】前年度製作したシステムで,マイクロ振動デバイスの面外振動変位分布測定を実施すると共に,面内変位測定に対応した光学システムを組み込み,面内変位が既知の圧電デバイスを用いて予備実験を行う.マイクロ振動デバイス用の面内変位光学系の製作には,高い工作精度と確実な実験検証のため時間が必要であるため実施期間が長く設定されている.上記で得られた結果から,本システムの性能をチェックし,面内変位測定上の問題点(レーザ入射角や除振のための対策,光学モデルの妥当性など)を洗い出す.しかし,東日本大震災の影響により,実験装置の組み始めが24年度を越えてしまった.今後急ぎ修正を行う予定である.【波長の異なるレーザの同軸照射による各振動変位成分の絶対測定】マイクロ振動デバイスの3次元振動変位分布観測のためのシステム構築が終了した後,振動変位の絶対値が測定できるようシステムの改良を行う.ここまでのシステムではレーザ波長を一定として振動変位分布を測定していたが,絶対変位を求めるために異なる波長のレーザをそれぞれの方向に対し同軸で照射できるようにシステムを改良する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に研究材料費(PSDほか)に利用する.
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