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2012 Fiscal Year Research-status Report

時間と空間を制御した励起磁場による極微弱磁気信号イメージ検出による高速非破壊検査

Research Project

Project/Area Number 23560508
Research InstitutionThe University of Shiga Prefecture

Principal Investigator

作田 健  滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70221273)

KeywordsSQUID / 磁気計測システム / 微小異物検出
Research Abstract

励起磁場の空間的時間的制御により対象磁性体を磁化し,磁化した対象物からの磁気信号を検出することで,高速に磁性異物や欠陥を検出することを目的とする本研究課題においては励起磁場に対して磁性異物がどのように反応するかを正確に把握する必要がある。そのため、今年度は、励起磁場に対して,磁性異物がどのように磁化され,それがどのように検出できるかについて,シミュレーションにより検討を行った.さらに,磁性異物からの検出される磁気信号から,その磁性異物の場所特定の手法について,検討を行った.
直流電流を流す導線を平行に配置し,電流を流す導線を変化させて励起する磁場を制御するだけの単純なシステムにおいても,磁性異物の検出は可能であることが分かった.さらに,この場合,各導線に電流を流したときに得られる検出磁束密度の比をとることによって,磁性異物の横方向の位置特定を行えることがわかった。
また,実験に際しては,磁気シールドボックス内に被対象物をコンベア上で移動させながら測定する必要がある.そこで,磁気シールドボックスの磁気遮蔽特性の測定を行った.コンベアの出入り口が比較的大きな開口部(幅25cm×高さ5cm)となっており,つばを設けて外部からの磁気士侵入を防ぐ形状になっている.予想通り,開口部直近では,シールド率の低下が大きいが,開口部から5cm程度離れると,ほとんど中央と同程度のシールド率となっていることが確認できた.これより,実際の実験に際しては十分に磁気遮蔽された環境が得られる.
励起磁気信号に対する傷欠陥の特性についても有限要素法による検討を試みた.これについては実測結果との比較で,定性的な一致がみられ,シミュレーションによる開発の妥当性が確認できた.
さらに,高感度磁気検出のためのSQUID形状の最適化,およびSQUID磁束計回路のSPICEシミュレーション設計のための動作確認等をすすめた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年の基礎的なシステムやシミュレーション環境構築の結果を受け,実際の磁性異物検出に向けて,シミュレーションによるシステム構成および動作確認をおこなうことができた.しかしながら,実測による磁場分布の確認までいたらず,この点を早急に進める必要があると考えている.
雑音キャンセルシステムについても、マイコンあるいはディジタル信号処理回路(DSP)によるリアルタイム雑音処理システムの基礎構成は実現している.さらに,1入力によるシステムの検討をおこない簡素化システムが期待できる。
磁気イメージ像については,一次元上での位置特定すなわち一次元イメージング化ができるソフトウェアは作成しているが,本来ひつようである二次元面上でのイメージング化およ逆変換による異物イメージ像表示ソフトは進められていない.これについては,従来検討していたソフトの本システムに向けての改良をめざいしていたため,現在本システムから良質の二次元データが得られていないことから,ソフトウェア改良が進んでいない.基礎となるプログラムがあるため,実験が進むことで開発が進むと考える.
しかしながら、SQUID磁束計による極微弱磁気信号の検出について、本年度にSQUID磁束計を含む測定系の予定であった.しかしながら,環境磁気雑音のシールドの関係でSQUIDを安定動作させることができず,特に複数のセンサーシステムの検討が進まなかった.全体として,遅れ気味と考えている.
システム構築を急ぎ,系全体のパフォーマンスを早急にチェックする.

Strategy for Future Research Activity

平成23,24年度は、(1)電気的制御による所望の時間的空間的分布をもつ磁場の生成および(2)SQUID磁束計による極微弱磁気信号の検出,(3)磁気画像イメージおよび欠陥イメージの再構築および(4)複数の基本システム要素の組合せによる、高速化、測定領域の広域化、高感度化の検討であった.
今後の推進方策は、まず早急にSQUID素子による測定ができるシステムを立ち上げる。これは、雑音が多くSQUIDを安定に動作させることができなかったことが主な要因である。現在、シールドを含めた雑音対策が実施完了しており、微小磁気計測の実験を進めることができる。
(1)および(2)について、今後も検討をすすめ、システムの最適化を図る。これについては、実験システムおよびシミュレータのより効果的なサイクルを実現し、効率よく最適条件を求めるようにする。また、リアルタイム雑音除去システムについても、より効果的なプログラムの開発およびハードウェア構成に検討をすすめる。
(3)磁気画像イメージおよび欠陥イメージの再構築に関して、フーリエ変換とグリーン関数を用いたアルゴリズムおよび励起磁場の波形シーケンスの工夫による簡単な処理でのイメージを推定手法も総合的に検討し、磁気イメージ像再構築の各手法を考案し性能を評価する。また、(4)複数の基本システム要素の組合せによる、高速化、測定領域の広域化、高感度化について、先に述べたようにSQUID磁束計の測定システムを早急に立ち上げたうえで、SQUIDの複数化に対応できるシステムを検討し、より高性能化する。
単純に数を増やしただけでは、基本要素が干渉しあうので、マルチ化に最適な信号シーケンス、素子配置および信号処理手法について検討する。最終的に、マルチチャンネル化を含めた本システムの基本性能を評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本システムは、計測系の機械的制御および電気的制御と雑音および画像の信号処理を行う必要がある。特にリアルタイムでの制御が必要であり、1台の制御系をあてることが望ましい。そのため、これらの要求を満足する性能をもったシステム制御用ワークステーションを購入する予定である。
また、1つのSQUID磁束計によるシステムが完璧に動作せられず,複数化まで検討が進まなかったため購入を遅らせたSQUIDセンサーおよびそのコントローラを購入し,それらをコントロールする制御システムを構築するための各種電子部品、さらに簡単な制御システムを内蔵するFPGAといった電子機器を購入する。
さらに,電磁界シミュレーションに依存する部分が多いため,電磁界シミュレータの購入を行う.

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Published: 2014-07-24  

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