2012 Fiscal Year Research-status Report
時空間的ユニーク情報に基づく高速・ロバストな画像計測法に関する研究
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23560512
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
橋本 学 中京大学, 情報理工学部, 教授 (70510832)
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Keywords | temporal stability / co-occurrence / template matching / machine learning |
Research Abstract |
本年度は,画像特徴と最適画素群の関係に関する分析および,その機械学習法によるパラメータ同定に関する検討を行った.また,本研究テーマで扱うデータは2次元であるが,これは一般的な距離画像(画像の濃度値が距離値である画像)を含むために,距離画像への適用に向けた最適パラメータ決定に関する検討を行った. その結果,画像特徴として空間周波数構造と最適画素群の幾何学的関係に相関があることが判明した.具体的には,原画像にフーリエ変換処理を施して支配的な空間周波数を調べ,一方では複数画素間の位置関係パラメータを変化させながら認識性能を調査したところ,空間的な水平,垂直周波数成分と,認識率を最大にする画素間パラメータとの間には,関係があることが確認できた. さらに複数画素の時間的な変動についても検討したところ,同時に(従属的に)変動する画素群と,独立して変動する画素群が存在することがわかり,前者を画像マッチングに用いることによって認識性能が向上することを確認した.加えて,周辺の類似物との類似性の分析に関する検討を加えたところ,類似物(偽サンプル)をネガティブサンプルとして学習させることによって,目的対象物の検出精度を大幅に向上できるという知見を得た. 次に,機械学習法によるパラメータ最適化として,Adaboost法および一般的な最適化手法として遺伝的アルゴリズム法を検討したところ,後者においてパラメータ最適化が可能なことを確認した. さらに,この考え方を距離画像にも適用した.3つの画素を,始点を共有する2つのベクトルと見なして表現し,本手法が3次元物体認識にも適用可能なことを確認した.これらの研究成果を,国内研究会,国際会議,投稿論文にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の本年度の目的である,画像特徴と最適画素群の関係の明確化,機械学習法によるパラメータ同定手法の提案については達成できた.また,提案手法における画素群の適切性を判断する指標として,照明変動に対する適応性ならびに周辺類似物に対する適応性を検討し,いずれの場合も効果があることを確認した. さらに,提案手法が通常の濃淡画像のみならず,一般的な2次元画像形態に適用可能なことを,距離画像にも適用できる新手法を提案することによって実証した.ただし,当初予定していた性能実証については,部分的には達成できたものの,実用化を狙う研究としては画像のバリエーション不足が懸念点として残っており,2次元照合においては様々な形状の対象物を撮影した画像を用いた実験,3次元照合においても対象物同士が多様な形態で積み重なっている状況下での評価実験を行う必要がある.また,処理時間についてはまだ実用的なレベルには達しているとはいえない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,前年度までの検討結果を踏まえて,提案アルゴリズムの多様な画像データ群に対する評価実験を充実させるとともに,当初予定通り,高速・高安定な画像マッチングアルゴリズムの構築を行う.また,これまでの成果を,国内研究会,国際会議,投稿論文に投稿することによって,幅広く広報していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度においては,提案手法に関する研究発表として当初予定していた国際会議発表2件のうち,1件についてはH25年度開催のQCAV国際会議に発表先を変更した.また,関係論文(電気学会論文誌)2編の投稿は達成したが,1件は採否判定中であり,もう1件については採録が決定したものの採録時期がH25年5月になったことに起因して,いずれも論文投稿費用の支払いがH25年度になったことから,これらのために予定していた研究費用の一部の執行を,次年度に変更した.次年度については,速度評価用PCの購入および学会発表費用について,当初予定通り執行する計画である.
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