• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

感応膜を修飾した水晶振動子によるCO2センサの開発

Research Project

Project/Area Number 23560514
Research InstitutionOsaka Institute of Technology

Principal Investigator

村岡 茂信  大阪工業大学, 工学部, 教授 (40097994)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsCO2センサ / 水晶振動子 / 感応膜
Research Abstract

大気中の二酸化炭素,メタン,オゾンなどいわゆる温室効果ガスは,過酷な宇宙環境から地上の生物を保護している.しかし,これらが量的バランスを崩すと地球環境に異変を引き起こす.特にCO2は大気中に0.03% 程度含まれ,その含有量の変動が気候等に及ぼす影響は大きい.家庭においても家屋の気密性向上とともに,燃焼機器や人の呼気によるCO2が室内に滞留しやすくなり,健康への影響も懸念される.これらのことから局所的かつリアルタイムにCO2濃度を監視できる簡便なセンサが求められている. 本研究で開発する水晶振動子式CO2センサは,電極表面に吸着した物質の質量に比例して周波数が変化し,ngオーダーの質量変化を検出でき,電源(ボタン電池等),発振回路,カウンタ回路,ディスプレイだけで簡単に構築できるのが特色である. 平成23年度は,アクリロニトリルスチレン(AS)をCO2を吸着する感応膜として,現有のスピンコータにより水晶振動子電極上に修飾してCO2検出部を作製し,このセンサのCO2 濃度に対する周波数変化量の再現性,精度,感度等を調べた.また,感応膜の膜厚を推定し,この感応膜厚と感度の関係も調べた.さらに,大気中のCO2以外の成分であるO2,Ar,He,H2O に対する特性も調べた.その結果,大気中では,ASはCO2以外の成分であるO2,Ar,Heは吸着せず,CO2と水分のみを吸着することが分かった.つぎに,ASを修飾した水晶振動子のCO2濃度と湿度変化に対する感度をAS膜厚の関数として求め,湿度補正を行うことによりASを修飾した水晶振動子をCO2濃度センサとして実用出来ることを明らかにした.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要欄に記載の通り,平成23年度は,CO2を吸着する感応膜としてASを選定し,現有のスピンコータにより水晶振動子電極上に修飾してCO2検出部を作製した.このセンサのCO2 濃度に対する周波数変化量の再現性,精度,感度等を調べた.また,感応膜の膜厚を推定し,この感応膜厚と感度の関係も調べた.さらに,大気中のCO2以外の成分であるO2,Ar,He,H2O に対する特性も調べた.その結果,大気中では,CO2以外の成分であるO2,Ar,Heは吸着せず,CO2と水分のみを吸着することが分かった.つぎに,ASを修飾した水晶振動子のCO2濃度と湿度変化に対する感度をAS膜厚の関数として求めた. 一方,交付申請書に記載した「平成23年度実施計画」は,"CO2を吸着する感応膜を開発し,これを現有のスピンコータにより水晶振動子電極上に修飾してCO2検出部を作製する.実験装置を構築した上で,このセンサのCO2 濃度に対する再現性,精度,感度等を調べる.また,感応膜の膜厚を推定し,この感応膜厚と感度や時定数の関係も明らかにする."であるから,おおむね順調に進展している.

Strategy for Future Research Activity

平成23年度の実験結果を踏まえて実験装置を改良する.このために,機械部品,電子部品,化学部品を購入する.また,AS以外の感応膜を開発し,これを修飾した水晶振動子式CO2センサを作製する.このために,化学薬品を購入する.このセンサを現有チャンバ内に設置し,窒素で希釈されたCO2 ガスに対する諸特性を明らかにする.さらに,CO2 ガスセンサに最適な水晶振動子を設計製作する.このために,水晶振動子メーカーとの打ち合わせ旅費や作製費用として科研費を支出する.さらに,電子部品,機械部品,化学部品等を購入して,CO2 検出部に電源,発振回路,カウンタ回路,ディスプレイを組み合わせた実用的なセンサを構築する.また,CO2 ガスが感応膜に吸着される初期の周波数変動から最終的な周波数変化量を予測する技術を開発し,CO2 濃度の局所情報を短時間に簡便に取得可能なCO2 センサを開発する.さらに,「感応膜を修飾した水晶振動子によるCO2センサの開発」について得られた成果をとりまとめ,国内および国外で成果発表を行う予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度に低温恒温恒湿器の購入を計画していたが,研究の進行上,ガス混合装置の購入と水晶振動子の追加製作が必要となり,低温恒温恒湿器の購入予算を取り崩してこれらを購入した.その結果,両者の差額を次年度に繰り越し,次年度は,これらの額と平成24年度請求額を合わせて,実験装置の改良(機械部品,電子部品,化学部品を購入),実験に使用するCO2 ガス,これを希釈するN2 ガス,これを吸着する感応膜を作製するための化学薬品の購入,CO2 ガス用感応膜の調査と資料収集旅費,研究成果の学会発表旅費等に使用する予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 感応膜を修飾したQCMのCO2濃度センサへの応用2012

    • Author(s)
      清原裕弥,村岡茂信,大植弘義,東本慎也,他2名
    • Organizer
      日本機械学会 関西支部 大87期定時総会講演会
    • Place of Presentation
      関西大学
    • Year and Date
      2012.3.17
  • [Presentation] 感応膜を修飾した水晶振動子によるCO2濃度の検出2011

    • Author(s)
      清原裕弥,村岡茂信,大植弘義,東本慎也,他2名
    • Organizer
      計測自動制御学会 第28回センシングフォーラム
    • Place of Presentation
      慶応義塾大学
    • Year and Date
      2011.10.13

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi