2012 Fiscal Year Research-status Report
双方向波長多重信号による長距離光ファイバの位相安定化技術の研究
Project/Area Number |
23560519
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
雨宮 正樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究室長 (20392582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴山 智也 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (30359111)
渡部 謙一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50358389)
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Keywords | 計測工学 / 情報通信高額 / クロック伝送 / タイミング信号 / 同期技術 |
Research Abstract |
光ファイバの位相安定化を目標に、平成24年度の計画どおりに検討を実施した。まず平成23年度に試作開始した位相補償装置の基本性能評価を行った。本装置は微調用ファイバストレッチャーと粗調用ファイバスプールの組み合わせにより光ファイバ長の位相変動を補償する構成である。ピエゾ式ファイバストレッチャーによる位相補償の性能評価結果は、短尺ファイバと10 GHzの信号を用いて平均時間1日でアラン標準偏差1e-19の安定度が得られ目標とした長期安定性が得られた。次に長距離光ファイバの位相補償に必要な粗調用ファイバスプール位相補償装置の作成とその性能評価を実施した。本装置は断熱化した小型のチャンバ内に設置したファイバスプールをペルチェ素子で温度制御して位相を制御する。10MHzの位相制御用信号と位相制御用の40 kmファイバスプールを用いた実験結果は、温度を-4 ℃ ~46 ℃の範囲で変化させることにより、出力位相を75 ns変化させることに成功した。実際に敷設された伝送路長100 kmの光ファイバ最大位相変動量は約50 nsであったため、実験で得られた75nsの位相補償量は長距離光ファイバの変動に十分対応できるものであることが確かめられた。このファイバスプール補償装置による位相制御実験の結果は、平均化時間10,000sで1e-15と良好であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光ファイバの位相安定化のための最も重要な装置である位相補償装置を完成させ、基本性能評価を実施し、概ね目標値を満足している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的であるファイバ長固定化システム(=プラットフォーム)の評価準備を行い検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成25年度)使用額の74,728円は、平成24年度に契約済みのSC形光ファイバ(7528円)と15V0.8Aリニア電源(67,200円)であり、平成25年度の支払である。納入後は実験装置として使用する。
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