2012 Fiscal Year Research-status Report
急激なシステム変動と未知外乱に有効な適応ロバスト制御系の提案およびその発展と応用
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23560520
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
楊 子江 茨城大学, 工学部, 教授 (30243984)
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Keywords | Distributed control |
Research Abstract |
前年度では,ロボットの分散型適応ロバスト制御系を提案した。ロボットマニピュレータの適応制御系では,各軸間が複雑に絡み合い,多くのパラメータを推定する必要がある。課題1の成果を活用して,軸ごとに局所的情報だけに基づいた適応則を設け,他軸からの干渉を外乱推定機構で推定するという分散型外乱推定機構付き適応ロバスト非線形制御系を提案した。その際に,各軸の局所的信号だけに基づいて,多軸からの干渉と外乱推定誤差などを抑える込む非線形減衰項の設計法を解明した。システム全体の安定性と各軸における制御性能を明らかにした。研究成果を国際会議とジャーナルに発表した。理論的研究成果は2012年にIEEE Transに掲載された。 本年度では,実際にロボットマニピュレータを動かし,提案手法の有効性を実証しているところである。 さらに,上記の研究成果を踏まえて,当該年度では,ネットワークで連結されたロボット群の同期制御に関する研究に着手し,研究成果を上げた。ロボット群のうちの一部だけが目標指令値を受けるという状況で,各ロボットが近傍ロボットと情報交換を行いがなら,全体の動作が同期して指令値を追従するという分散型ロバスト制御器を提案した。具体的には,ロボットの各軸からの干渉のみならず,ほかのロボットからの,ネットワーク経由の干渉も推定して補償するという方策で,すべてロボットが指令値を知らなくても,同期追従制御を実現した。研究成果を国際会議とジャーナルに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワークで連結されたロボット群の同期制御について,ロボット群のうちの一部だけが目標指令値を受けるという状況で,各ロボットが近傍ロボットと情報交換を行いがなら,全体の動作が同期して指令値を追従するという分散型ロバスト制御器に関する研究は近年の新しいテーマである。各ロボット間の干渉を推定しながら補償することにより,ロボット群の同期制御が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度までの研究では,ロボット群間の通信が双方向という設定であった。今後は単方向通信という条件で分散型同期制御に取り込みたい。通信ネットワーク構造に関する行列とロボット慣性行列を一緒に扱う制御器では,安定性解析が困難である。そこで,各ロボットに仮想的運動粒子を設け,目標指令値と速度を推定することによって,ネットワーク構造に関する行列とロボット慣性行列の絡み合いを避けることによって,より使いやすい分散型制御器を提案する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算計画とおりに進めていく予定。
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Research Products
(7 results)