2011 Fiscal Year Research-status Report
ループ管熱音響冷凍機における定在波抑制制御装置の開発
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23560523
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小林 泰秀 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (50272860)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ロバスト制御 / 能動騒音制御 / フィードバック制御 / ループ管熱音響冷凍機 / 指向性音源 |
Research Abstract |
(1)ループ管予備実験装置の製作と定在波抑制制御の基本性能検証直径10cmの塩ビ管を使用し、周長約3mのループ管を構成した。二つのスピーカの駆動信号をw,vとし、v(t)=-w(t-τ),τをスピーカ間の距離に応じたむだ時間とすることで、指向性音源を構成した(従来システムにおけるプライムムーバと、定在波を抑制用の制御音源を兼ねる)。スタックなしの状態で管内に生じる進行波・定在波の比率を調べた。管内でマイクを移動させて音圧分布を測定するとともに、クントの実験の原理で音圧分布を可視化した結果、パワーアンプの個体差、ループ管の曲がり部分(エルボ)における乱流の問題があり、物理モデルとの整合性が十分でないことがわかった。この状態でもロバスト制御系設計はできるため、この問題の解決は後に回し、制御系設計に進んだ。進行波をとらえるため、二つの圧力センサを用いて指向性センサを構成した:センサの出力をz,y とすると、e(t)=z(t)-y(t-τ),τを圧力センサ間の距離に応じたむだ時間とすることで、完全な進行波音場の場合にe=0を出力するセンサとなる。定在波の抑制を、eをできるだけ小さくすることと捉え、スピーカの駆動信号を補正する補償器を設計した:一方のスピーカの駆動信号vをv+uとし、センサ出力yから補正項uを生成する補償器を、wからeまでのH∞ノルムを最小化する制御問題を解いて求めた。制御実験の結果、実際にeが小さくなる制御系が実現できたが、スタック両端の温度差は制御なしの方が大きかった。z,y自体の振幅を小さくするような制御系となったことが原因と考えられる。(2)従来システムの製作直径約5cmのステンレス管(サニタリー管、厚み約1mm)を用いて、周長約3mのループ管を構成した。スタックを収める部分、マイク、スピーカを収める部分を別ユニットに分け、クランプで接続するようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
問題1:実験装置の不備(パワーアンプの個体差、ループ管の曲がり部分における乱流)があり、実験結果と想定した物理モデルによる結果との整合性が不十分であった。問題2:制御系設計仕様(指向性センサ出力を小さくすること)と実際の目的(定在波を抑制すること)が乖離しており、期待した定在波抑制性能を得ることができなかった。これらの問題により、従来システムの製作も遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記問題1に対しては、パワーアンプキットを性能の良い市販品に置き換えること、および、ループ管の曲がり部分の曲率を大きくする。その後、物理モデルとの整合性を確認し、スタックあり/なしの比較によりスタックの音響特性を把握する。問題2に対しては、指向性センサ出力eそのものを最小化するのではなく、一方のセンサ出力に対する指向性センサ出力eの比を最小化するように、設計仕様を変更し、補償器の再設計を行う。その後、従来システム(熱入力、制御なし)を構成し、従来システムの問題点把握、定在波抑制制御の効果検証に進む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
従来システムを構成するため、熱交換器(ヒータ加熱用、水冷用)の制作費または市販品の購入に充てる。また、管内音圧分布を詳細に測定するため、十分な数の圧力センサを購入する。
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