2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤崎 泰正 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30238555)
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Keywords | 制御工学 / システム工学 / 数理工学 / アルゴリズム / モデル化 |
Research Abstract |
本研究課題「リスクベース最適化による制御システムの解析と設計」では,研究代表者らがこれまでに行ってきた制御システムの解析と設計のためのランダマイズドアルゴリズム・確率的手法を,リスクベース最適化という観点から整理・体系化し,研究をさらに進めて,広範囲の制御問題に対して適用可能な実用的な解析・設計手法を確立することを目指している.そのために、基礎と応用の両面から、研究を実施している. 計画3年目となる平成25年度は最終年度であり,これまでの研究成果をまとめることに注力するとともに,今後の展開につながる新たなアイデアの発掘を行った.まず,リスクベース最適化の基礎については,平均制約を含むロバスト最適化問題のためのランダマイズドアルゴリズムについて,研究成果をまとめた.そこでは,不確かなパラメータに依存する線形行列不等式制約のもとで線形関数を最小化する問題を取り上げた.そして,不確かさを確率変数とみなすことで,平均制約とロバスト制約を定式化し,行列版の Hoeffding の不等式を援用することで,シナリオアプローチにより確率的に厳密な保証のある解を求めることが可能であることを明らかにした.また,確率最適化のリスク解析についても,有限差分確率近似および同時摂動確率近似のための厳密な停止則について,研究成果をまとめた.さらに,平均化を用いる確率近似法のリスク解析について,萌芽的研究成果を得た.一方,リスクベース最適化の応用に関しては,可変サンプリング周期をもつ制御システムの設計に対して,ランダマイズドアルゴリズムが有効であることを確認した.これらの成果は,雑誌論文および学会発表として研究発表している.
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