2011 Fiscal Year Research-status Report
フィードバック誤差学習と統計学習によるロボットアームの運動制御と監視
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23560531
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
杉本 謙二 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (20179154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 拓至 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20415847)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 学習制御 / 運動制御 / 逆システム / ロボットアーム / 統計学習 |
Research Abstract |
今年度はまずフィードバック誤差学習制御(FEL)に関する設計論の深化、つまり提案の学習則をさらに発展させ、より実用的な制御手法として提示するとともに実験によって有効性を検証することを目指した。基本的な制御性能の検証を目指し、2ローター実験モデルに実装して所望の動作ができることを確認した。しかしながら従来手法よりは若干の改善が見られたものの、格段に優れた性能は確認できなかった。そこで設計パラメータを調整するなどの検討を進めつつ、従来からの課題であった閉ループ系への悪影響について考察を深めた。フィードバック誤差の仮想化、前向き要素のみによる近似など、これまでに準備してきた幾つかの提案手法を完成させ、その成果を国内外の学会にて発表した。その過程で、プレフィルタも同時に学習するという新しい手法の着想を得ることができ、2012年4月に開催の学会へ投稿した。 一方、JITモデリング・JIT制御についても検討を行ない、一般化された2自由度構造においてFELとの関連を明らかにした上で、学習則の効率化を達成した。シミュレーションに加えて小型移動ロボットの軌道追従による評価実験も行ない、比較的シンプルな設定の下では十分な有効性を示すことができた。これを国内学会で口頭発表し、幾つかの肯定的なコメントをいただいた。とりわけ産業界からの手応えを感じた。なお、2リンクアームへの適用実験は、装置に予期しない不具合が生じたため、現時点では成功していない。 次に統計学習については、従来のFIR近似を改良した手法を開発し、その有効性をシミュレーションで検証した上で、2慣性振動モデルによる実験を行なった。その結果、非線形性や高周波領域でのサンプリングの問題など、実用上の課題が明らかになったため、これらについて次年度以降に取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィードバック誤差学習や統計学習に関する理論研究や検証実験は順調に進めることができたが、アームの制御や監視は達成に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、フィードバック学習については完成および拡張・発展を目指し、統計学習については幾つかの課題が指摘されているので、それらを解決すべく、さらに力を入れて研究に取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、実験装置の動作不良を解決する必要があるので、修理あるいは部品購入などの改造費用がまず必要である。また、国際会議での成果発表を行う予定なので、そのための旅費も必須となる。これに加え、研究打ち合わせ旅費や謝金など、および消耗品の購入にも若干、研究費を使用する計画である。
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