2011 Fiscal Year Research-status Report
被災状況把握と捜索のための小型飛行船群による隊列飛行制御に関する研究
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23560536
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
森 泰親 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (00210138)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 飛行船 / 誘導制御 / 3次元軌道追従 / 隊列飛行 |
Research Abstract |
飛行船の動的モデルの構築と3次元軌道追従制御方式の検討が、23年度に計画した課題であった。 動的モデルの構築に関しては、これまでに作り上げてきた数式モデルを基本として、現有している飛行船との合わせ込みを行った。数式モデルでは飛行船の全体形状を楕円形としているが、実際には卵型であり、しかも、ゴンドラの存在も無視している。このような近似を、重心軸とプロペラとの距離や表面摩擦係数などの可調整パラメータで吸収した。電気モーターの電圧値とプロペラが発生する推力との関係を非線形関数で表現し、そのパラメータをチューニングした。構築した数学モデルの性能評価を行った。旋回も含めてゆっくりとした動きは表現できるものの、急旋回、急停止に関してはとてもシミュレータと呼ぶことはできないという結果であった。 3次元軌道追従を達成するには、飛行船と目標軌道との相対位置もしくは飛行船の絶対位置を入手しなくてはならない。高さ方向の位置を知るために超音波センサを床に向けての実験を今年度も行った。静止状態では高さの測定ができた。しかしながら、移動時には飛行船本体が僅かながらもローリングするために、床で反射してきた超音波をキャッチできないことが多く、高さ検出は不可能であると結論付けた。ロボットアームの手先にCCDカメラを取り付けてのロボット制御技術の研究開発を行っているので、今後はその画像処理技術を使うこととした。 制御方法に関しては、絞り込んでいない。当研究室におけるビークル制御として、船舶の操舵制御に一般化最小分散制御、自動車の安定走行制御にスライディングモード制御を適用している。飛行船の誘導制御に適した制御方法を選定し適用することは24年度の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験途中において、現有している飛行船の駆動部が故障した。この飛行船は、首都大学東京の傾斜的研究費で平成17年度に購入したものである。修理不能のため、実験を中断せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
地面を移動する自動車、水面を移動する船舶に比べると、飛行船の誘導制御は難しい。極めて抵抗の小さい空中において3次元の軌道追従制御を要求されるからである。制御性能を追求するならば、制御対象の動特性を考慮した制御方法を適用すべきである。 当初の予定通り、24年度に小型飛行船を一機購入するものの、研究計画の変更をしなくてはならない。23年度までに作り上げてきた飛行船の数学モデルは、平成17年度に購入した飛行船を対象としていた。まずは、新たに購入する飛行船を対象に数学モデルを手直しする。その後、CCDカメラを使っての飛行船の絶対位置と姿勢の計測実験を行い、3次元軌道追従制御方式の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
小型飛行船を一機(100万円弱)購入する。この飛行船の3次元絶対位置と姿勢の計測を行うために、CCDカメラと画像処理ボードと制御用PCが必要となる。地面に設置した状態で飛行船を撮影するCCDカメラとは別に、飛行船本体に取り付けることのできる、小型の無線CCDカメラもしくは無線赤外線カメラを購入する。 また、実験を行うに当たって、実験補助の人件費、ヘリウムガスなどの実験消耗品を要する。さらには、研究成果を発表するための費用も必要である。
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Research Products
(7 results)