2012 Fiscal Year Research-status Report
被災状況把握と捜索のための小型飛行船群による隊列飛行制御に関する研究
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23560536
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
森 泰親 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (00210138)
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Keywords | 飛行船 / 誘導制御 / 3次元軌道追従 |
Research Abstract |
飛行船を誘導制御するには、飛行船の動的モデルの構築、飛行船の3次元絶対位置と姿勢の計測、および3次元軌道追従制御方式の確立が必須である。 動的モデルの構築に関しては、数学モデルの基礎が出来上がった。表面摩擦係数などのパラメータ値の絞り込みを行うことが課題である。実機を用いての実験データを収集して解析を行っている。 飛行船の3次元絶対位置と姿勢の計測に関しては、飛行船本体に下向きに取り付けた超音波センサをあきらめ、CCDカメラによる画像処理を用いることとした。直径約20センチメートルのカラーボールを2個、飛行船本体下部に取り付け、赤と緑のそれぞれのボールの大きさと2個のボール間距離を測定する。これらの情報から、飛行船の3次元絶対位置と姿勢を計測して、その精度を検証した。カメラからの距離が15メートル以内ならば、十分な精度であることを確認できた。飛行実験を行うには、カメラからの距離を最低25メートルにしなくてはならない。今後、いろいろな工夫を試みる。 飛行船の数学モデルの精度、3次元絶対位置と姿勢の計測の精度の向上を目指す。その後、それらの精度を考慮に入れて3次元軌道追従制御方式を決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度までに作り上げてきた飛行船の数学モデルは、平成17年度に首都大学東京の傾斜的研究費で購入したものである。昨年報告したように、平成23年度に駆動部が故障し修理不能となった。 当初の予定通り、平成24年度に小型飛行船を一機購入し、新たに購入した飛行船を対象に数学モデルの手直しをしている。数学モデルで用いている表面摩擦係数などのパラメータを求めるためには、実際の飛行船の動きを観測する必要がある。そこで本年度、CCDカメラ、画像処理ボードとレーザー距離計を購入し、実機実験の際のデータ収集に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
CCDカメラを使っての飛行船の3次元絶対位置と姿勢の計測は、カメラから15メートル以内ならば十分な精度を確保できるまでになった。この距離を25メートルにしなくてはならない。現在は、飛行船の下部に直径約20センチメートルのカラーボール2個を取り付け、このボールの大きさと位置関係を測定している。レーザー距離計の精度は高いが、1点計測のため手動で動かさなくてはならない。このレーザー距離計の情報を利用するには、新たな工夫が必要となる。 数学モデルの基礎は出来上がったものの、やはり、細かい動きを表現することは難しい。数学モデルによる動特性表現には限界がある。今後は、実験データをテーブル化して、数学モデルとテーブルとの融合を検討する。 平成25年度の後期には、3次元軌道追従の実験に取り掛かりたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
飛行船の3次元絶対位置と姿勢の計測精度向上を目指して、計測機器の購入を検討する。また、実験を行うに当たって、実験補助の人件費、ヘリウムガスなどの実験消耗品を要する。さらには、研究成果を発表するための学会参加費や旅費も必要となる
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Research Products
(14 results)