2011 Fiscal Year Research-status Report
高炉セメントを使用した港湾RC構造物の塩害耐久性に関する研究
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23560548
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大即 信明 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40211106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 豪 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90452010)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高炉セメント / 港湾RC構造物 / 塩害 |
Research Abstract |
当初の実施計画通りに、(1)高炉セメント(BSC)を使用し建設後15年経過した港湾RC構造物の調査(2)普通ポルトランドセメント(OPC)を使用し建設後30年経過した港湾RC構造物の結果整理、の2つを行った。以下にこの(1)と(2)の総合的なまとめを示す。(1)調査概要…港湾RC構造物の壁面のHigh Water Level(満潮面HWL)から、+2.2m,+1.5m,+0.9m,-0.24m,-1.72m,-3.14m程度の位置より、コンクリートコアを抜き出した。このコアをほぼ10mm厚にて壁平行にスライスし、10mm内の塩化物イオン量を定量し、深さ-塩化物イオン量曲線を作成した。さらにこの曲線より表面塩化物イオン量(C0)および塩化物イオンの見掛けの拡散係数(Dap)を算定した。また、内部の鉄筋の腐食速度を腐食抵抗を求めることで算定した。(2)解析概要…C0およびDapのBFCとOPCによる差、高さによう差を分析した。次に、C0およびDapを用いて、塩害による潜伏期および進展期の年数をかぶり70mmとして試算した。潜伏期とは、RC内部の鉄筋が腐食し始めるまでの期間で、限界塩化物イオン量を1.2kg/m3と仮定した。また、進展期とは腐食し始めてコンクリートにひび割れが発生するまでの期間で錆が10mg/cm2となるとひび割れが発生すると仮定した。(3)結論…C0は海面からの高さが高い(+であるほど)小さくなり、HWL近傍ではBFC>OPCであるが、HWLより1m以上高い位置ではBFC<OPCとなった。Dapは、高さとの相関は認められなかった。BFCのDapはOPCのものの1/3程度の値であった。潜伏期については、OPCでは5年程度であるのに対しBFCでは25年程度であった。また、進展期については、OPCでは20年程度であるのに対し、BFCでは40年以上と算定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究には5つの目標があり、当初計画より23年度では、その中の(1)および(2)を行うこととしており、9.述べたように23年度に(1)および(2)を達成した。このため、(2)と自己評価した。(参考:本研究の目的)(1)高炉セメント(BSC)を使用し建設後15年経過した港湾RC構造物の調査(2)普通ポルトランドセメント(OPC)を使用し建設後30年経過した港湾RC構造物の結果整理(3)室内実験によるBFCの塩害抵抗性に関する検討(4)実暴露実験によるBFCの塩害抵抗性に関する検討(5)(1)-(4)の結果の整合性を確認し、BFCを港湾RC構造物へ適用したときの優位性を議論する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究全体の研究の目的は次の5つである。(1)高炉セメント(BSC)を使用し建設後15年経過した港湾RC構造物の調査(2)普通ポルトランドセメント(OPC)を使用し建設後30年経過した港湾RC構造物の結果整理(3)室内実験によるBFCの塩害抵抗性に関する検討(4)実暴露実験によるBFCの塩害抵抗性に関する検討(5)(1)-(4)の結果の整合性を確認し、BFCを港湾RC構造物へ適用したときの優位性を議論する。この内、23年度は(1)および(2)を行ったので、次年度以降予定通り行う。すなわち、24年度は(3)(一部(2)の結果を用いる)、25年度は(4)および(5)を行い、所定の成果を出す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費400,000、旅費300,000,人件費・謝金100,000
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