2013 Fiscal Year Annual Research Report
高炉セメントを使用した港湾RC構造物の塩害耐久性に関する研究
Project/Area Number |
23560548
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大即 信明 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40211106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 豪 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90452010)
西田 孝弘 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10345358)
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Keywords | 高炉セメント / 港湾RC / 塩害抵抗性 |
Research Abstract |
本研究では,構造物の長寿命化や環境負荷低減に寄与できる材料として高炉セメントに着目し,港湾RC構造物の塩害耐久性に対する有効性を検討した。具体的には,(1) 高炉セメントを使用し建設後15年経過した港湾RC構造物の調査,(2) 普通ポルトランドセメントを使用し建設後30年経過した港湾RC構造物の結果整理,(3) 室内実験による高炉セメントの塩害抵抗性に関する検討および(4) 実暴露実験による高炉セメントの塩害抵抗性に関する検討を行った。さらに,(5)上記(1)-(4)の結果の整合性を確認し,得られた情報を踏襲した港湾RC構造物の耐久性評価等を行うことで,高炉セメントを港湾RC構造物へ適用したときの優位性を明らかにした。 平成25年度の検討では,目的(4)および(5)に関して検討を行った。ここでは,鹿児島港に27年間曝露したコンクリート供試体を解体調査し,その塩化物イオン浸透状況から高炉セメントを使用したコンクリートの塩害抵抗性について調べた。その結果,高炉セメントを使用したコンクリートの塩化物イオン拡散係数は普通ポルトランドセメントを使用した場合の1/10程度となることが確認された。また,前年度までに得られた実構造物や供試体を対象とした検討結果を合わせて耐久性評価を行った。その結果,高炉セメントを使用することにより,鉄筋腐食が開始する期間や腐食ひび割れが発生するまでの期間を長期化することが可能となり,例えば,高炉スラグ微粉末を普通ポルトランドセメントに対し55%置換した場合の鉄筋コンクリートの寿命は,普通ポルトランドセメントを用いた場合の約4倍となると試算された。以上の結果から,高炉セメントを港湾RC構造物へ適用することにより,塩害抵抗性を高めることができ,耐久性上有意であることが示された。
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