2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560549
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
椿 龍哉 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 教授 (40134902)
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Keywords | アンカー / 多層構造 / 引抜け挙動 / 耐震補強 |
Research Abstract |
本研究の第3段階の最終年度では,第2年度に引き続き,①スマートアンカーを適用した構造物全体の変形挙動からのスマートアンカーの力学特性の最適化,②構造物全体の変形挙動の数値モデルを用いた解析による確認,を行った。構造物全体の挙動については,アンカー部とその周辺部を合わせた領域を検討の対象とした。スマートアンカーの構造と材料特性の決定における多くのパラメータの組合せに対する網羅的検討に数値解析を用いた。数値解析は,実際のアンカー部とその周辺部を模した数値モデルを作成することにより行った。また,地震時のように繰返し荷重を受ける場合を想定し,アンカー部とその周辺部を模した模型実験を静的正負交番繰返し載荷に対して行い,その挙動を把握した。 数値解析によるアンカーの多層構造とその材料特性の検討では,種々の多層界面とそれらに対応した破壊様式を想定したモデルを複数個作成した。それらのモデルを用いて,アンカーの引抜け変位が小さく,かつ周辺部の損傷が小さくなるように最適化するために,主としてアンカー部と周辺部の界面領域の材料特性の最適な組合せを多数のシミュレーション結果から明らかにすることができた。 また,アンカー部とその周辺部を模した小型供試体を用いた載荷実験では,界面に相当する部分の材料特性,および充填材の材料特性が,正負交番繰返し荷重を受けるときの挙動に及ぼす影響を把握することができた。充填材については,その靭性が正負交番繰返し荷重を受けるときの荷重低減率を小さくすることが確認された。 一方,地震時の挙動をより正確に把握するための全体構造の動的挙動の解析による検討,およびスマートアンカーの応用分野の詳細な検討という項目については,今後の検討事項として残った。
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