2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の耐久性向上に有効な表面保護材料の開発とその評価
Project/Area Number |
23560559
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90253484)
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Keywords | 表面保護材料 / コンクリート構造物 / 表面含浸材 / 低温アーク溶射 / シラン系 / けい酸塩系 / 併用 / 耐久性 |
Research Abstract |
本研究では、(1)塗布量と性能の関係の評価(対象:表面含浸材)、(2)含浸材の養生期間の影響(対象:表面含浸材)、(3)新材料の開発;混合系含浸材の混合割合の影響と併用系の性能評価、(4)溶射材料の主成分の影響(対象:低温アーク溶射)について、明らかにすることを目指した。平成25年度においては、平成24年度までの達成度を踏まえて、特に(3)と(4)に注力して行った。 (3)の混合系含浸材の混合割合の影響については、混合割合を変化させた含浸材の開発がうまくいかなかったため、市販の混合系含浸材を使用して検討を行った。しかし、シラン系やけい酸塩系単体での効果と比較して優れた効果は確認できなかった。一方、併用系の検討においては、シラン系3種類とけい酸塩系2種類を重ねて塗布する方法を用いて、異なる主成分の組合せ、塗布割合が含浸性状や遮水性に及ぼす影響と、アルカリ金属イオン量の比較によるけい酸塩系の含浸深さと表面水分率の関係を検証した。その結果、けい酸塩系を先に塗布し、その後シラン系を塗布すると遮水性に優れ、特にけい酸塩系:シラン系=2:8の質量比で塗布すると、シラン系単体を標準塗布量で塗布した場合よりも効果が高いことがわかった。 (4)の溶射材料の主成分の影響については、使用材料はアルミニウム、亜鉛、アルミニウムと亜鉛の合金の3種類とした。透水量や透湿度においては、AlZnの合金に封孔処理を施したものが最も効果が大きいことが確認できた。また、中性化に対しては封孔処理のみのもの、塩化物イオンの浸透量に対してはAlに封孔処理を施したものが最も効果が大きかったが、表面含浸材の効果には及ばないものであった。 以上のことから、研究期間全体において当初の目的として(3)の混合系の検討が十分ではなかったが、併用系の性能や優位性を明確にすることができ、十分に目的は達成できたと考えている。
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Research Products
(6 results)