2011 Fiscal Year Research-status Report
地域環境因子と風況に基づいた耐候性鋼橋梁の腐食予測と余耐力評価システムの構築
Project/Area Number |
23560564
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
岩崎 英治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10223380)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 鋼構造 / 耐候性鋼材 / 腐食予測 / 余耐力 |
Research Abstract |
橋梁建設予定地点の飛来塩分,風向風速と橋梁の構造諸元から,橋梁建設後の局部的な部位の飛来塩分と腐食量を推定し,残存余耐力評価を行うシステムを構築するために,対象橋梁の近くでの地域・地形環境としての飛来塩分の観測,対象橋梁の局部環境での飛来塩分の観測と,曝露試験片による腐食量の観測,および実橋梁の残存板厚の計測を行い,数値シミュレーションによる飛来塩分と腐食量の推定の妥当性の検証を行う. 耐候性鋼橋の局部的な飛来塩分環境の予測手法の構築のために,平成23年度は,検討対象とする橋梁の選定,検証用の良質な現地観測データの取得を行い,併せて腐食量と局部的な飛来塩分との関連の同定のために,現地の橋梁に腐食曝露試験片を設置した.また,建設後の実橋の残存板厚の測定を行った.(1) 地域・地形腐食環境と局部腐食環境の観測:腐食の傾向が部位ごとに異なるような特徴的な腐食状況にある建設後19年経過した橋梁を選定し,この橋梁に風向風速計を設置した.また,飛来塩分を観測するためのドライガーゼ式塩分捕集器具を複数の部位に設置した.これらの風速データと飛来塩分は研究期間を通して収集する.(2) 局部腐食環境と腐食量の把握のための曝露試験片の設置:前述の塩分捕集器具を設置した同一部位に,曝露試験片を設置した.曝露試験片の設置1年後,2年後に回収して,腐食減耗量を算出して,腐食環境と腐食量の関係を把握する.(3) 推定腐食量の検証のための実橋の残存板厚の計測:建設後19年経過した対象橋梁の残存板厚を計測した.腐食の激しい部位は,残存板厚の計測値にばらつきが生じるために,残存板厚の効率的な計測方法を検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部位ごとの腐食状況に明確な差異のある橋梁を選定でき,この橋梁に風向風速計,塩分捕集器具,腐食量算出のための曝露試験片を設置できたこと,風向風速データと部位ごとの飛来塩分の計測が順調に行えていること,実橋の残存板厚の計測を行い部位ごとの傾向が把握できたことから,1年目の研究目標は,概ね達成できたと考えられます.
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Strategy for Future Research Activity |
実橋での腐食環境の調査は,最低1年間,曝露試験片は2年間設置することから,次年度も継続してこれらの調査を行う.また,実橋各部位の飛来塩分の推定のための数値シミュレーション手法による推定結果と実橋の飛来塩分の比較により推定手法の検証と改良を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
数値シミュレーションには多量の計算量を要するために,飛来塩分シミュレーション専用のパソコンを購入する.1年目から継続している飛来塩分の分析,曝露試験片の除錆のための薬品を購入する.計測機器の点検と交換のための旅費,分析のための謝金を使用する.
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