2011 Fiscal Year Research-status Report
土木構造物の損傷から生じるAE波を利用した損傷可視化トモグラフィ
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23560567
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩谷 智基 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (40443642)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / ギリシャ / マレーシア / ドイツ / アメリカ |
Research Abstract |
本年度は以下の事項を実施し,年度目標通り研究を遂行することができた.すなわちプログラムにおいては新たなAE源探索方法の構築と推定されたAE源を利用したトモグラフィプログラムの構築,および試験体を用いた適用性の検討である.詳細は以下の通り.1) プログラム:AEトモグラフィプログラムのアルゴリズムを構築するとともに,2次元に対応したプロトタイププログラムを作成した.本アルゴリズムで特徴的な点は,AE源を特定する際に予め与えた標定点に基づく順解析結果と,得られた観測データとの分散を利用した点であり,また今後の改善点としては位置標定と速度構造推定を同時に実施する際に生じることがある発散の対処方法となる.2) 試験体によるプログラム適用性検討: ファイバコンクリート版の押し抜きせん断試験にAE法を適用し,得られたAEデータを利用して1)で構築したAEトモグラフィプログラムの適用性を検討した.その結果,AE源数の増加よりもAE源の標定精度が,そのご得られる速度構造推定結果に大きく影響することが明らかとなった.また,本試験は脆性的破壊挙動を示し,十分な破壊段階および,破壊領域の分割を実施できなかったため,引き続き別の試験体を用いた検証実験を計画する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AE源標定の新たなアルゴリズムを導入したAEトモグラフィプログラム(2次元版)を作成し,実試験体に適用できるまでに至ったことから.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の事項を予定している.1) プログラム:AE源の推定志度に依存しないプログラムへの改良と3次元への拡張2) 試験体・実構造物での検証:破壊領域が区分でき,かつ破壊源が試験体全体に広がることが予測できる試験体および,実験方法を検討し,本プログラムの適用性を検討する.併せて,実構造物でのAE計測結果や種々の材料にも本プログラムを適用し手法の有用性を広く検討,適宜世界に向け国際会議等でPRする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・原位置試験実施 (国内出張,謝金)・国際会議発表(米国AE会議)・データベース構築(専用PC購入)
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