2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代橋梁維持管理のためのクラウドソーシングの創出
Project/Area Number |
23560569
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河村 圭 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (70397991)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 橋梁 / 維持管理 / クラウドソーシング / 情報基盤 / 情報流通 / 社会基盤 / 集合知 |
Research Abstract |
本研究では、次世代橋梁維持管理のための「知の流通基盤」を構築する。具体的には、Web(World Wide Web)技術やセキュリティなど情報通信技術を駆使した「共創の場」をインターネット上に構築し、道路交通網の持続的な発展を支える産官学民からなる集合知(Wisdom of Crowds)を創りだすクラウドソーシング(Crowdsourcing)の実現を目指す。ここで、集合知とは、多数の個人(組織)が参加することによって形成される知識を意味する。また、クラウドソーシングとは、個々人(組織)が有するデータや経験を、インターネット上で流通させ、多数の人々からの新たなデータ・情報・知を調達、集約、さらに共創することである。平成23年度は、本研究の土台となる技術を構築し、コミュニティ形成プロトタイプシステムを開発した。具体的には、以下の内容を実施した。1.情報基盤の開発:本研究者が開発した山口県橋梁維持管理データベースを情報基盤とし、データベース内のデータを積極的に活用する機能として、データをグラフ化し電子地図へ視覚的に表示できる機能を開発した。2.情報流通基盤の開発:Web上でのコンテンツの分類・検索、さらに交換など、データの流通性能を高めるために、データ入力・出力・送信形式の標準化を検討した。次年度に、開発システムへ実装する予定である。3.コミュニティ形成プロトタイプシステムの開発:組織内外の多くの人々が、データ・情報交換、さらにはコミュニケーションを行うためのプラットフォームのプロトタイプを構築した。具体的には、情報基盤となる山口県橋梁維持管理データベース、コミュニケーションを支援するWeb2.0技術の代表であるSNS(Social Networking Service)機能、および電子地図(Google map)を組み合わせ、コミュニティ形成プロトタイプシステムを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定した研究実施計画の内容をおおむね実施できた。特に、コミュニケーションを行うためのプラットフォームのプロトタイプを構築し、コミュニティ形成プロトタイプシステムを開発したことは、予定よりも、やや進んだ計画の実施となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして、システムを洗練する。具体的には、以下の内容を実施し、セキュリティを十分に考慮した、電子地図上でコミュニティを実現できるシステムの開発を行う。1.情報流通基盤の開発:本システムは、情報資産(データや情報)を扱うことから、情報システムとしてのセキュリティリスク(情報漏洩や外部からの攻撃など)への配慮が必須である。本研究では、これらリスクや対策法をまとめ、実際にセキュア情報システム(ハード(ネットワークを含む)・ソフトウェア)を構築する。2.コミュニティ形成システム:平成23年度に開発したコミュニティ形成プロトタイプシステムをさらに発展させ、電子地図上で、橋梁のデータを見ながら、会話や議論、情報提供を円滑に進める場を構築する。また、データの提供や議論への参加を促すためのインセンティブ機能についても検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度からはセキュアな情報システムプラットフォーム構築も研究対象となることから、平成23年度に開発したシステムのインターネット上での公開を想定した環境を構築し、各機能の洗練またセキュリティを高める。このための実験ネットワーク構築用の通信機器およびセキュリティ検証用クライアントPCを購入し、システムの研究・開発および検証を進める。
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