2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代橋梁維持管理のためのクラウドソーシングの創出
Project/Area Number |
23560569
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
河村 圭 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (70397991)
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Keywords | 橋梁 / 維持管理 / クラウドソーシング / 情報基盤 / 情報流通 / 社会基盤 / 集合知 |
Research Abstract |
本研究では、次世代橋梁維持管理のための「知の流通基盤」を構築する。具体的には、Web(World Wide Web)技術やセキュリティなど情報通信技術を駆使した「共創の場」をインターネット上に構築し、道路交通網の持続的な発展を支える産官学民からなる集合知(Wisdom of Crowds)を創りだすクラウドソーシング(Crowdsourcing)の実現を目指す。ここで、集合知とは、多数の個人(組織)が参加することによって形成される知識を意味する。また、クラウドソーシングとは、個々人(組織)が有するデータや経験を、インターネット上で流通させ、多数の人々からの新たなデータ・情報・知を調達、集約、さらに共創することである。 平成23年度は、本研究の土台となる技術を構築し、コミュニティ形成プロトタイプシステムを開発した。平成24年度は、プロトタイプを発展させるとともに、点検データ取得の効率化やシステムの公開環境を構築した。具体的には、以下の内容を実施した。 1.情報基盤の開発:平成24年度は、前年度に開発したデータベースシステムの洗練を進めるとともに、点検データを効率的に収集および蓄積できる手法およびソフトウェアを研究・開発した。 2.情報流通基盤の開発:データベースに蓄積されたデータ・情報・知識を、インターネット上で流通させるための基盤となるサーバシステムおよび情報ネットワークのプロトタイプを構築し、サーバおよびネットワークの脆弱性テストを実施した。 3.コミュニティ形成システムの開発:組織内外の多くの人々が、データ・情報・知の交換、さらにコミュニケーションを行うプラットフォーム開発が目的である。維持管理データベースを利用したコミュニケーションを支援する各種機能(SNS(Social Networking Service)機能、電子地図(Google map)など)を改良また開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、平成23年度の研究成果をもとに、実施計画の内容をおおむね実施できた。特に、点検結果のデータの入力を効率化するための手法およびソフトウェアの開発は、研究開始当初では、研究範囲に含めていなかったが、本研究をさらに進める上で重要となることから、新たに研究範囲として含め実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年となる平成25年度は、平成23年度および平成24年度に得られた成果をもとにして、実際に構築したシステムを道路交通網管理機関の実務者へ利用して頂きながら洗練する。具体的には、構築されたシステム内のデータや機能を利用した劣化予測モデルの検討を実務者とともに行い、データ蓄積の効率化、データ流通性能、また情報セキュリティ性能の観点からシステム設計や実装された機能を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、研究最終年となることから、平成23年度および平成24年度に開発したプロトタイプシステムの検証用PCを購入し、システムの評価を行いながら、改良を進める。また、これらの成果を、学会等で発表する。
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