2013 Fiscal Year Annual Research Report
震源域の大きな上下動の影響を含む地盤と基礎と重要生産・社会基盤構造物の応答評価法
Project/Area Number |
23560574
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
原田 隆典 宮崎大学, 工学部, 教授 (70136802)
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Keywords | 震源断層近傍 / 大きな地震動上下動成分 / 断層永久変位 / 3次元非線形地震等々解析 / 多地点入力地震動 / 耐震補強 / 上路式鋼製トラス橋 / 上路式鋼製アーチ橋 |
Research Abstract |
日本で記録された震源断層近傍(震源断層最短距離20km以内)の強震観測記録と表層地盤特性(道路橋示方書の第1種~第3種地盤分類)並びに断層分類(逆断層、正断層、横ずれ断層)毎の上下動と水平動のフーリエスペクトル振幅比(V/Hスペクトル比)の特性を調べ、V/Hスペクトル比の表層地盤特性毎のモデル化を平均値と標準偏差によりモデル化した。 また、逆断層を仮定した震源断層モデルと3種類の厚さの違う表層地盤による理論的地震動波形を計算し、V/Hスペクトル比が断層の上盤と下盤で明らかな違いがあることを示した。 さらに、設計用入力地震動の水平成分が与えれたと仮定したときに、地盤毎の上下動の地震動波形を作成する工学的方法を提案し、2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2逆断層)の大きな上下動成分を作成し、観測記録との整合性を示した。 これまでの大きな上下動を伴う逆断層等の震源断層近傍の地震動を、複雑な応答特性を有する橋梁に分類されている上路式鋼製トラス橋と上路式鋼製アーチ橋に入力し、その3次元非線形応答挙動について、断層上端深さ、表層地盤厚、断層と橋梁の位置等を変えた18ケースの計算から調べ、断層永久変位を含む地震動波形が橋梁に大きな損傷をもたらすケースを特定した。 損傷の大きな橋梁への新しい耐震補強法としてを、速度依存型の制震ダンパーと支承と桁の上下方向の拘束を緩和するデバイスの設置やコンクリート床板からアルミニューム床板へ変更が耐震性向上に有効であることを示した。
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