2011 Fiscal Year Research-status Report
高精度3次元画像変位計測を用いた橋梁の変形モニタリング
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23560578
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
新津 靖 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (70143659)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 橋梁 / 変位計測 / モニタリング / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は,橋梁に代表される実大構造物の変形モニタリングの可能性を追求することにあり,具体的には,そのための機器,計測手法および解析コードの開発を行い,さらに実大の橋梁の計測およびモニタリングを実施する.得られた測定結果は基礎データとしてデータベース化し橋梁の強度計算や劣化診断を必要とする技術者・研究者に提供することを目的とする. 平成23年度は,橋梁に代表される剛構造建造物の風や地震などによる変形をモニタリングするために以下の3項目の開発と実験研究を行った.3項目とも次年度に継続して開発・改良と実験を進めていく. (1) パターン認識による高精度・高分解能変位計測法の開発(平成23~24年度):本計測法の開発とそのソフトウエア開発は平成23年度中に動作するものを開発し,その後改良を進める予定である.平成23年度末の時点で,デジタル相関法を用いたサブピクセル画像追跡のプログラムを作成し,10分の1ピクセル以上の分解能で画像追跡が可能なことを確認した.(2) 実物構造物(鉄橋)の高精度疑似3次元変位計測(平成23~24年度):本項目のために高速高精度デジタルカメラを購入した.短時間の計測作業を平成23年度は従来の技術により行う予定であったが,計測対象にマーカーを設置することが困難であったため,(1)のソフトウエアを用いて高速度カメラで撮影したビデオ映像を解析することで,画像変位計測の可能性を確認した.(3) 高速度カメラ画像のリアルタイム3次元解析(平成23~25年度):(1)のリアルタイム画像変位計測のプログラム開発は,高速処理を可能にするGPUのプログラム開発環境を構築し試験プログラムを開発した段階である.現時点では,通常のCプログラムで(1)のリアルタイム処理プログラムが開発できており,100分の1秒ごとに4点の追跡できている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)プログラム開発,装置の準備は順調に進展している.実構造物の計測実績はやや遅れているが,現在,利根川にかかる栄橋(築40年経過)を測定対象に選び,計4回の計測を行ったが,当初予定したマーカー設置が困難なため,高速度カメラで撮影できる30秒程度の短時間の計測を多数回行った.当初予定していた数箇所の橋梁についての計測と1~2時間程度の連続計測は行っていない.また,電源確保の問題もあって,連続計測は困難なことがわかった.次年度は,現有のバッテリー電源を増強する必要がある.研究発表については,国際会議での発表を2件,国内講演会での発表を5件行った.
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Strategy for Future Research Activity |
計測手法とプログラム開発については順調に進展しており,予定通り引き続き開発を進めていく.実構造物(橋梁)の計測は鉄道橋を測定対象として追加し,さらに関東圏にある大型の橋の計測も試みる予定である.研究計画書の「(1)パターン認識による高精度・高分解能変位計測法の開発」はほぼ完成しており,次年度からは下記の3項目を推進していく.次年度に項目(3)を実現する計画でプログラム開発を進めている.計測実験は次年度に短時間のモニタリングを実施し,電源の問題が解決ししだい,長期のモニタリングの準備を進めていく.困難な問題としては,長期のモニタリングでは電源の確保と同時に夜間の計測方法を考案する必要がある.マーカー設置が困難な場合は,夜間の計測ができない可能性がある.(2) 実物構造物(鉄橋)の高精度疑似3次元変位計測(平成23~24年度)(3) 高速度カメラ画像のリアルタイム3次元解析(平成23~24年度)(4) 実物構造物(鉄橋およびコンクリート橋)の変形モニタリング(平成25年度)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測システムのプログラム開発に必要な謝金を増額し継続的に開発を進める.物品として,電源を確保するため,追加バッテリーと安価なソーラー発電器を購入する予定である.また,前年度未使用であった国際会議研究発表を次年度に使用する.23年度からの繰越金は謝金とバッテリー等の物品費および旅費に当てる予定である.
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Research Products
(7 results)