2013 Fiscal Year Annual Research Report
軸力部材・変位比例摩擦力型振動減衰装置の実用化と応用に関する研究
Project/Area Number |
23560582
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
片山 拓朗 崇城大学, 工学部, 教授 (80310027)
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Keywords | 制震 / ダンパー / 摩擦力 / 変位 / 比例 / ばね |
Research Abstract |
本研究では、減衰力が変位の絶対値に比例して増加する特性を有する変位比例摩擦力型振動減衰装置(以後、提案装置と略す)を試作し、その試作機の変位と減衰力の関係を往復載荷試験により調べ、提案装置が変位の絶対値に比例して増加する減衰力を安定的に生成できることを確認した。 H23年度は、漸高摺動機構、定高摺動機構、拘束リング、H型シリンダー、並列ピストンで構成するプロトタイプ(最大減衰力10kN・最大振幅20mm)の性能確認実験を実施し、拘束リングの力学特性と摺動機構の耐久性を確認した。プロトタイプを大型化した実機(最大減衰力100kN・最大振幅40mm)の設計と製作を行い、拘束リングの載荷試験および構造解析を実施した。実機の往復載荷試験を実施し、実機が所要の減衰力を生成することを確認した。 H24年度は、実機について、周期8~4秒・継続時間1200秒の往復載荷試験を実施した。周期8秒と6秒の条件では、装置の変位と減衰力の関係は計算値と良く対応した。周期4秒の条件では、往復回数の増加とともに減衰力が顕著に増加し、摺動部の温度上昇は60℃~40℃となった。また、振動試験用の小型振動減衰装置(最大減衰力1kN、最大振幅35mm)の設計、製作および静的往復載荷試験を行った。拘束リングの代替手段として、Ti-Ni系の超弾性合金ワイヤーを用いる方法を採用した。 H25年度の研究では、小型振動減衰装置について、周期4秒・継続時間900秒の往復載荷試験を行い、減衰力を安定的に生成できることを確認した。この装置では、摺動変位に比例して摺動機構の外径が増加する筒状摺動機構の外側に、その外径の増加を弾性拘束するようにTi-Ni系の超弾性合金ワイヤーを巻きつけることにより、変位の増加に比例して増加する減衰力を生成する。ワイヤーの巻き数を変えることにより、減衰力の大きさを容易に調整できることを確認した。
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Research Products
(4 results)