2012 Fiscal Year Research-status Report
繊維材混合流動化処理土の埋戻し地盤への適用に関する研究
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23560586
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
木幡 行宏 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90215301)
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Keywords | 地盤防災 / 流動化処理土 / 非排水三軸試験 / 時間依存性 / 養生日数 / せん断特性 |
Research Abstract |
本研究では,都市域における埋戻し地盤の耐震補強として,繊維材混合流動化処理土を用いた場合に,どの程度の補強効果が期待できるものかを実際のモデル地盤において検討するという着想のもと,大学構内のピットにおいてモデル地盤を作製し,小型FWD試験によって地盤の非一様性の程度を詳細に検討するとともに,養生日数の影響を明らかにする。さらに,埋戻し地盤の耐震補強工法として考えられる繊維材混合流動化処理土の原地盤への適用方法について検討するとともに,実際の合理的な施工方法を提案することを目的としている。 本年度の研究では,新たに開発された特殊土用セメント系固化材を用いて,繊維材を0,10,20 kg/m3で添加して,養生日数28日及び56日とした繊維材混合流動化処理土に対し,圧密非排水三軸圧縮試験((CUB) 試験)を98 kPaの等方応力条件下で行い,せん断時の軸ひずみ速度が10倍異なる三軸圧縮試験,軸ひずみ速度を載荷中に10倍変化させた三軸圧縮試験および載荷中に応力持続載荷(以下クリープと呼ぶ)を行なった場合の三軸圧縮試験を行い,繊維材混合流動化処理土の時間依存特性に及ぼす養生日数の影響について検討した。その結果,①本研究の範囲内では, 繊維材混合流動化処理土の軸差応力~軸ひずみ関係において,最大軸差応力には,養生日数の違いによる顕著な差はみられないが,繊維材量0 kg/m3においては,養生日数の増加により初期の剛性が大きくなる傾向があること,②繊維材を添加した場合,養生日数に関わらず,ある添加量までは軸差応力~軸ひずみ関係の非線形性を弱める効果が見られるが,ある添加量を超えると,養生日数の増加とともに非線形性が増加する可能性があることなどが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,これまでの研究成果をもとに,平成24年度は,これまでの研究で取り残されている室内作製供試体による繊維材混合流動化処理土の微小ひずみレベルでの三軸せん断特性に及ぼす養生日数の影響について検討するとともに,大学構内のピットでのモデル地盤の作製と小型FWD試験によるモデル地盤の非一様性の検討を中心的に行うとしていた。 上述のように,平成24年度には,繊維材混合流動化処理土に対し,繊維材を0,10,20 kg/m3で添加して,養生日数28日及び56日とした繊維材混合流動化処理土に対し,圧密非排水三軸圧縮試験((CUB) 試験)を98 kPaの等方応力条件下で行い,せん断時の軸ひずみ速度が10倍異なる三軸圧縮試験,軸ひずみ速度を載荷中に10倍変化させた三軸圧縮試験および載荷中に応力持続載荷(以下クリープと呼ぶ)を行なった場合の三軸圧縮試験を行い,繊維材混合流動化処理土の時間依存特性に及ぼす養生日数の影響について検討したことから,「室内作製供試体による三軸せん断特性に及ぼす養生日数の検討」は,計画通りに進展したと考えているが,「モデル地盤の作製と小型FWD試験によるモデル地盤の非一様性の検討」においては,モデル地盤からの不攪乱試料の採取方法の検討に手間取ったことから,実際のモデル地盤の作製を実施できなかったが,小型FWD試験の実施方法やモデル地盤の構築方法等に関する計画の作成を実施した。 以上より,おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,まず,「モデル地盤の作製と小型FWD試験によるモデル地盤の非一様性の検討」を実施する計画である。すなわち,配合試験により決定した配合で,埋戻し材として耐震補強された繊維材混合流動化処理土によるモデル埋戻し地盤を作製し,原地盤の剛性評価を小型FWD試験によって行う。また,小型FWD試験によって得られるK値の結果から,モデル地盤の非一様性の検討を行う。本研究では,原地盤の変形係数を把握することが耐震補強を目的とした繊維材混合流動化処理土の原地盤への実用化に大きく影響することから,小型FWD試験装置を用いて地盤の剛性評価を行うことが重要である。 また,現場打設試料による繊維材混合流動化処理土の微小ひずみレベルからの三軸せん断特性の検討として,モデル地盤からブロックサンプリングした試料に対する非排水三軸圧縮試験を実施し,繊維材混合流動化処理土の変形特性の検討を行う。具体的には,変形係数のひずみレベル依存性,せん断応力レベル依存性,変形特性の時間依存性に及ぼす養生日数の影響を検討する。さらに,繊維補強した流動化処理土のモデル地盤での小型FWD試験による剛性評価を行うために,モデル地盤において小型FWD試験を実施し,原地盤の剛性評価を行い,現場打設試料による供試体と室内作製供試体の変形特性に及ぼす養生日数の影響について比較・検討する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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