2012 Fiscal Year Research-status Report
既設宅地造成盛土の地震時安全性の定量的評価手法の研究
Project/Area Number |
23560595
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安田 進 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90192385)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敬祐 東京電機大学, 理工学部, 助手 (00615057)
|
Keywords | 盛土 / 地震 / 室内実験 / 変形解析 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,都市近郊に造られた造成宅地盛土および住宅の地震時変形・不同沈下量を求め危険度予測を行う方法を研究するため,全国各地の盛土材の材料特性を調べ,また,2種類の盛土の変形量推定を試みた。 全国各地の盛土材としては,まず,2011年東日本大震災の際に宮城県と福島県の造成宅地で盛土が変状して住宅に被害を与えた箇所から採取した盛土材において,昨年度の残りの試料に対し物理特性,締固め特性や繰返しせん断強度特性,繰返し載荷後の静的せん断変形特性,動的変形特性を求める試験を行った。また,造成盛土材としてよく用いている北海道の火山灰砂質土,八戸のローム,神戸のまさ土,鹿児島のしらすを採取し,本年度はまず物理特性および締固め特性を求める試験を行った。その結果,東日本大震災で被災した盛土の締固め度は80%前後とかなり小さいことや,液状化強度および液状化後の変形特性は締固め度に大きく影響していることがわかった。 次に,東日本大震災で被災した福島県の造成盛土地の2か所について,変形解析を適用してみた。解析法としては研究代表者達が従来から開発してきている変形解析プログラムのALIDと,最近開発した過剰間隙水圧を考慮したニューマーク法によるすべり量解析プログラムEXCESSを用いた。その結果,これらの方法で解析して実被害を再現できることや,地下水位が盛土の変形に大きく関係することなどがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は研究開始寸前に発生した東日本大震災で宮城県と福島県の造成宅地盛土が甚大な被害を受けたため,急遽計画を変えて被災箇所から試料を採取して試験を行った。これに対し,本年度は当初計画に戻し,札幌,神戸,鹿児島で盛土材を採取して試験を行うことができた。また,解析も東日本大震災で被災した箇所に対しほぼ予定通り研究を遂行できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
全国各地の試料に対する試験を継続していく。また,東日本大震災で被災した断面やモデル断面などで解析を実施する。さらに,常時の変形解析も加えて,常時の変状から地震時の被災程度を予測する方法を考案していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
室内土質試験のためのゴムスリーブや解析のためのパソコン関係の消耗品に使用する。また,成果の発表用の旅費に使用する。さらに,実験や解析の補助のために謝金に使用する。
|