2013 Fiscal Year Annual Research Report
既設宅地造成盛土の地震時安全性の定量的評価手法の研究
Project/Area Number |
23560595
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安田 進 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90192385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 敬祐 東京電機大学, 理工学部, 助手 (00615057)
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Keywords | 盛土 / 地震 / 室内実験 / 変形解析 |
Research Abstract |
都市近郊に造られた造成宅地盛土および住宅の地震時変形・不同沈下量を求め危険度予測を行う方法を研究するため,全国各地の盛土材の材料特性を調べ,また,盛土の変形量推定を試みた。 全国各地の盛土材としては,まず,2011年東日本大震災の際に宮城県と福島県の造成宅地で盛土が変状して住宅に被害を与えた箇所から採取した盛土材に対し物理特性,締固め特性や繰返しせん断強度特性,繰返し載荷後の静的せん断変形特性,動的変形特性を求める試験を行った。また,造成盛土材としてよく用いている北海道の火山灰砂質土,八戸のローム,神戸のまさ土,鹿児島のしらすを採取し,同様の試験を行った。その結果,東日本大震災で被災した盛土の締固め度は80%前後とかなり小さいことや,液状化強度および液状化後の変形特性は締固め度に大きく影響していることがわかった。 次に,東日本大震災で被災した福島県の造成盛土地の2か所および宮城県仙台市の1か所について,変形解析を適用してみた。解析法としては研究代表者達が従来から開発してきている変形解析プログラムのALIDと,最近開発した過剰間隙水圧を考慮したニューマーク法によるすべり量解析プログラムEXCESSを用いた。その結果,これらの方法で解析して実被害を再現できることや,地下水位が盛土の変形に大きく関係することなどがわかった。さらに,仙台市では地震前に擁壁の変状が見られていた箇所を対象に解析を行ったが,その結果,盛土を載荷した段階で擁壁に変状を起こすような緩さであったことが解析結果からも得られ,常時に擁壁などが変状している箇所では地震時に変状を起こしやすいことが示唆された。
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