2012 Fiscal Year Research-status Report
不同沈下した小規模建築物への発泡ウレタン杭による急速沈下修正工法の実用化
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23560598
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
田中 剛 東京都市大学, 工学部, 技士 (80468818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末政 直晃 東京都市大学, 工学部, 教授 (80206383)
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Keywords | 硬質発泡ウレタン / 鉛直載荷実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は,不同沈下による被害を受けた小規模建築物における硬質発泡ウレタン杭を用いた急速沈下修正工法の実用化である. 24年度の研究では,適切な設計を行う上で硬質発泡ウレタン杭の支持力特性および支持力メカニズムの把握が重要となる.硬質発泡ウレタンは,既存で使用されているソイルセメントや鋼管に比べ比重が低く水中でも浮かぶ特性を持っている.その一方で,ソイルセメント杭や鋼管杭に比べ剛性が低く圧縮性が高い性質を持ち合わせているため,構造物の接地圧力が高いと,硬質発泡ウレタン杭が変形し十分な支持力が発揮できないと危惧される.そこで実験では,硬質発泡ウレタン杭を模擬した比較的に圧縮性の高い模型杭と,その比較のため鋼管杭を模擬した圧縮性の低い模型杭を用い鉛直載荷実験を実施し,支持力挙動を把握した.また,模型実験を結果から,荷重伝達法を用い硬質発泡ウレタン杭の支持力挙動を解析した.その結果,比較的圧縮性の高い硬質発泡ウレタン杭を用いても対象とする地盤が軟弱であれば,住宅などの接地圧力が小さい構造物であれば,十分に支持力を担保できることが確認できた。また,実験では,パイルド・ラフト(杭付きべた基礎)構造形式についても実験を実施しており,単杭の載荷実験とパイルド・ラフト基礎形式の載荷実験を比較すると硬質発泡ウレタン杭を模擬した模型杭では,1本当たりの支持力がパイルド・ラフト基礎形式の方が高い支持力を得られることが実験結果から確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,不同沈下による被害を受けた小規模建築物における硬質発泡ウレタン杭を用いた急速沈下修正工法の実用化である. 24年度の目標であった硬質発泡ウレタン杭の支持力特性をおおむね把握することができた.これまで行ってきた地盤剛性と発泡圧力についての相互作用と支持力特性を組み合わせることによって,実用化に向けた硬質発泡ウレタン杭の設計方法が提案できる.しかし,硬質発泡ウレタン杭の支持力の解析および地盤剛性と発泡圧力についての相互作用の検証が十分とはいえないが,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,硬質発泡ウレタン杭の支持力の解析の精度を高めるために,引き続き模型地盤で鉛直載荷実験を実施し,その結果と解析結果を照らし合わせ解析精度を向上させる.また,地盤の変形特性は,土質の種類などでも大きく異なるため,引き続き,硬質発泡ウレタン杭を模擬した簡易水平載荷装置を用いて実地盤で実施し,水平方向の地盤剛性と発泡圧力についての相互作用の確認を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費については,予定通り執行し,計画通りに研究を進める予定である.
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