2013 Fiscal Year Annual Research Report
不同沈下した小規模建築物への発泡ウレタン杭による急速沈下修正工法の実用化
Project/Area Number |
23560598
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
田中 剛 東京都市大学, 工学部, 技士 (80468818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末政 直晃 東京都市大学, 工学部, 教授 (80206383)
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Keywords | 摩擦杭 / 支持力 |
Research Abstract |
本研究の目的は,不同沈下により被害を受けた小規模構造物における硬質発泡ウレタン杭を用いた急速沈下修正工法の実用化である.実用化にあたり,硬質発泡ウレタン杭の支持力特性および杭を作製する際に生じる発泡圧力が地盤に与える影響の把握が重要となる.硬質発泡ウレタンは,既存で使用されているソイルセメントや鋼管杭に比べ比重が低く水中において浮かぶ特性を持っている.その一方で,それらの杭に比べ剛性が低く圧縮性が高い性質を併せ持っている.そのため,構造物の接地圧力が高いと,硬質発泡ウレタン杭が変形し十分な支持力が発揮できないことが危惧される.23年度は,発泡ウレタン杭を模擬した,孔内水平載荷装置を作製し,模型地盤および現地盤で実施して水平地盤応力と水平地盤反力との関係を調べた. 24年度は,硬質発泡ウレタン杭の支持力特性を把握するために模型実験を実施した.模型実験では,硬質発泡ウレタンを模擬した比較的圧縮性が高い模型杭とその比較のため鋼管杭を模擬した比較的圧縮性が低い模型杭を用い鉛直載荷実験を実施し,支持力特性を把握した.また,模型実験結果から,荷重伝達法を用い硬質発泡ウレタン杭の支持力挙動を解析した.25年度は,発泡によって地盤の押し広げた際の周面摩擦力に与える影響を空洞化膨張理論に基づく解析および心材と発泡ウレタンとの摩擦力について検討を行った.心材と発泡ウレタンとの摩擦力については,実物の硬質発泡ウレタン杭を作製し,その杭を高さ20㎝に切り分け,芯材を鉛直載荷することで摩擦力を計測した.当初予定した手法と一部異なる手法を用いたが,目的としていた硬質発泡ウレタン杭を用いた急速沈下修正工法の実用化にむけて概ね十分な成果が得られた.これらの結果を基に今後は実地盤で硬質発泡ウレタン杭を作製し,支持力特性を調べ実用化に向けて研究を進める予定である.
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Research Products
(1 results)