2012 Fiscal Year Research-status Report
基礎杭における地震時衝撃上下動による支持力発生力学挙動の模型実験に基づく研究
Project/Area Number |
23560601
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
玉野 富雄 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10268245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金岡 正信 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (40268272)
水谷 夏樹 大阪産業大学, 工学部, 教授 (50356036)
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Keywords | 杭の衝撃支持力 / 画像解析 / PIV解析 / 地震時衝撃上下動 / ひずみ計測 / 脆性破断 / 剛体 / 東大阪地盤 |
Research Abstract |
東京・大阪などの日本の大都市には,沖積軟弱地盤上に発達したところが多い.また,兵庫県南部地震クラスの直下型地震が生起する潜在的危険性が大きい状況下にある.そのため,都市防災の点から,直下型地震時での基礎構造物の耐震性能の確保は看過できない緊急課題である. 兵庫県南部地震後の震災調査より,衝撃上下動によると考えられる基礎杭の衝撃せん断破壊や衝撃引張破壊が生じていたことが確認できた。こうした衝撃破壊の力学挙動については不明な点が多く残されており,解明に向けた実験的な研究が望まれる.こうした観点から,本科研研究では,まず,2次元および軸対象3次元実験機の研究製作を行う.次に,各種の地震時衝撃上下動を模擬した衝撃載荷を行い基礎杭に発生するひずみ挙動および支持力発生時の基礎地盤の変形挙動の解明に取り組む.あわせて,基礎杭の地震時耐震性能を向上させる設計法・施工法の確立を期待するものである. 平成24年度では,平成23年度に引き続き衝撃支持力実験機の研究製作と実験を行った.また,超高速で生じる力学現象としての衝撃載荷実験時の“画像解析による実験結果の可視化法の確立”,地盤変位ベクトルを用いた“PIV解析による地盤変形挙動の解析”,および“ひずみ計測法と計測結果の解析”に関する研究を行った.あわせて,衝撃破壊の検討対象地盤として東大阪平野部における地盤特性に関する研究を行った. 研究製作した実験機および研究開発した計測・解析手法を用いた平成24年度における実験による研究成果については公表を行いつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験機の研究製作および計測・解析手法の研究開発は,ほぼ終了し,平成24年度での研究計画はほぼ達成できた.平成25年度では,さらなる実験と解析を行うことで研究結果を得ることが期待できる研究状況にあると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度において実施した杭の衝撃支持力実験において,極限衝撃支持力発生時の杭先端沈下は,0.5mm以下で生じ,地盤がほぼ剛体に近い力学挙動を示すことがわかってきた. 平成24年度には,確立したひずみ計測法,画像解析手法およびPIV解析手法を用いて衝撃力および埋設深さを変化させた種々の衝撃実験を実施し,弾性抵抗,摩擦,杭先端部におけるひずみ-沈下関係などの力学挙動を明確にしていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験機の改良・部品交換,模型杭の製作,ひずみゲージの購入,研究成果公表のための旅費に使用する.
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