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2011 Fiscal Year Research-status Report

水文予測情報を用いた既存ダムの機能向上に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560602
Research InstitutionMuroran Institute of Technology

Principal Investigator

中津川 誠  室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10344425)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords多目的ダム / ダム管理 / 洪水調節 / 積算予測雨量 / 融雪予測 / 事前放流 / ただし書き操作
Research Abstract

本研究では,ダムの洪水調節機能の向上を目的に,積算予測雨量を用いたダムの放流操作を検討した.結果は以下のとおりである.1)既往の予測結果を収集分析し,予測値と実績値の相関係数によって積算予測雨量と時系列予測雨量の精度を比較した.積算予測雨量の相関係数は予測リードタイムが長くなっても安定していた.2)積算予測雨量を階級別に分類し,各階級の実績雨量のヒストグラムにガンマ分布を当てはめ,実績雨量の最頻値と積算予測雨量の階級平均値との比較,また,積算予測雨量の誤差幅を評価した.その結果,実績値の70 %は予測値の0.7~1.8倍の範囲にあった.3)積算予測雨量に加え熱収支法で推算した予測融雪量を活用してのダムの放流操作を検証した.ここでは治水上の安全側評価から予測雨量の1.8倍の値を用い,リードタイム24時間での総流入量と空き容量から放流の必要性を判断するルールに基づいて事前放流と洪水調節の状況をシミュレーションした.4)この操作ルールを既往の大規模洪水事例に適用した結果,ただし書き操作を回避することができることが示された.一方,比較的小規模な出水に適用すると,一時的に貯水位が予備放流水位(利水上確保すべき水位)を下回るものの,洪水が終了する時点で利水容量が回復していた.限られた事例ではあるが,予測雨量を積算値として利用することは誤差の安定性から有利であり,積算予測雨量の活用はダムの洪水調節機能の向上に役立つものと考えられた.また,融雪予測は降雨ほどランダムに変動しないため,熱収支要因を的確に評価することで安定した結果が得られることもわかった.ダム管理上は今後の総流入量が重要な情報であるため,それに対応する積算予測雨量は長いリードタイムでの対応を考えるうえでも価値が高いものと期待される.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初予定では1年目で「大雨予測情報の信頼性を検証し活用法を探る」ことを目指していたが,それについては達成され,2年目で予定している「ダムの洪水調節機能向上策の提示」の一部である事前放流の検討にも踏み込んでおり,予定以上の進捗がみられている.

Strategy for Future Research Activity

提示した考え方に一般性があるかどうかを確認するために検討事例を増やすなどの展開を考えたいが,内容としては当初計画通り推進する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年度700,000円で計上していた物品費が実績で26,300円であったことが次年度への繰り越しが増えたことの主要因である.物品費はデータ解析用のパソコンとソフトの購入で予定していたが,他の研究テーマで実施していた作業との調整により,これらを購入せずに作業の遂行が可能となった.前年度は当初予定以上の進捗もあったが,次年度は提示した考え方の一般性を確認するため,検討事例を増やすことを計画したい.したがって先送りしていた機器の購入が必要となる.H23年度の予定-実績=差額(繰越)は次のとおりである.物品費/700,000-26,300=+673,700 旅費/450,000-531,120=-81,120 人件費・謝金/50,000-5,111=+44,889 その他/100,000-193,860=-93,860 直接経費計/1,300,000-756,391=+543,609以上を踏まえ,H24年度の直接経費は当初予定+繰越=変更予定として,次のとおりとしたい.物品費/150,000+673,700=823,700 旅費/700,000-81,120=618,880  人件費・謝金/50,000+44,889=94,889  その他/100,000-93,860=6,140 直接経費計/1,000,000+543,609=1,543,609

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 流域貯留量を考慮した流出計算法の汎用性について2012

    • Author(s)
      臼谷友秀
    • Journal Title

      土木学会論文集B1(水工学)

      Volume: 68 Pages: I_463-I_468

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 気候変動による利水への影響を踏まえたダム貯水池群の最適操作に関する研究2012

    • Author(s)
      川村一人
    • Journal Title

      土木学会論文集B1(水工学)

      Volume: 68 Pages: I_1477-I_1482

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 気候変動下における積雪地域の利水への影響を踏まえたダム管理のあり方について2011

    • Author(s)
      川村一人
    • Journal Title

      河川技術論文集

      Volume: 17 Pages: 287-292

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 気候変動が積雪地域の多目的ダムの利水管理に与える影響2011

    • Author(s)
      川村一人
    • Organizer
      水文・水資源学会2011年研究発表会
    • Place of Presentation
      京都大学防災研究所(宇治市)
    • Year and Date
      2011年8月31日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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