2011 Fiscal Year Research-status Report
交通安全に着目した自転車空間の構成方法に関する研究
Project/Area Number |
23560619
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
濱岡 秀勝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70262269)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 交通安全 / 自転車 / 錯綜 / 安全性評価 |
Research Abstract |
近年、交通事故件数全体に占める自転車事故の割合が増加する中、自転車対歩行者の錯綜や、交差点部での自転車対自動車の錯綜に関する研究が行なわれてきた。しかし単路部での自転車対自動車の錯綜を対象にした研究は少ない。本研究では、まず、単路部の車道を走行する自転車と自動車の錯綜モデルを構築した。単路部において自転車と自動車の動線は平行である。つまり両者の錯綜はどちらかがハンドルを切らないかぎり生じない。そのため、錯綜モデルにおいて自転車および自動車のハンドル操作が重要なパラメータになる。モデル形式はTTCの考え方を援用し、ハンドル操作特性を含める形で表現した。 次に、ハンドル操作パラメータを求めるために、試験走路にて走行実験を実施した。実験は、安全性を考え自転車・自動車個別に実施している。この実験により、ハンドル操作パラメータのみならず、両者の移動軌跡を詳細に取得できた。 最後に、構築されたモデルを実道路空間に適用し、安全性を評価した。道路空間特性の異なる3地点においてあてはめた結果、自転車と自動車の空間分離が図られている地点において、高い安全性が得られることを定量的に示すことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究課題としてあげた、(1)自転車の車道走行における危険性を評価するモデル構築、(2)実道路での車両走行データの収集および危険性について、どちらのテーマについても当初の予定どおり成果を得ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、車道での自動車・自転車並走に対する危険意識の分析、および望ましい自転車空間の考察について、研究を進める予定である。 前者については、調査内容として、自転車乗車時に感じる意識調査のみならず、実際に自転車に乗車する状況で、自動車との相対速度・相対距離がどの程度になると危険を感じるかの体験調査を実施する。自動車運転者に対しても、運転時に自転車の存在が気になる自転車交通量、またそのときの速度変化量等に関する意識調査を実施する。これら結果をもとに並走による危険意識を明らかにする。 後者については、昨年度の成果と本年度の成果をもとに、道路空間において自転車と自動車の相互にとって望ましい幅員を検討する。たとえば、道路幅員を変更できない制約下において、自動車の走行速度が高い状況でも自転車空間を確保する必要があるときは、自転車の安全性・安心感に配慮すると、自転車空間の幅員をどの程度にするとよいか明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、自転車ネットワークの階層化に関する分析を行う予定である。そのためには、現状の調査が必要であり、そのための調査費・調査補助謝金などが必要である。また、これまでの研究成果を論文発表することにより、現地でのディスカッション等を通じて、研究内容の方向性を確かなものにする。そのために、旅費や学会参加費などが必要になる。
|
Research Products
(1 results)