2012 Fiscal Year Research-status Report
交通安全に着目した自転車空間の構成方法に関する研究
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23560619
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
濱岡 秀勝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70262269)
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Keywords | 交通安全 / 自転車 / 危険意識 |
Research Abstract |
本年度の研究では、自転車の車道走行時の危険意識に着目する。それを把握するため、実験を行い、その取得データから自動車の自転車追越時における自転車利用者の危険意識を把握し、それに与える影響要因を考察する。実験は、側道の自転車を自動車が追い越す状況を設定した。その際、自動車速度、自転車速度、自動車と自転車との距離がそれぞれ異なる組み合わせをいくつか設定した。また、同時に被験者への危険意識調査も実施している。得られたデータを解析した結果、自転車利用者の危険意識は、「自動車と自転車との距離>自動車速度>自転車速度」の順に影響が大きいことが明らかとなった。また、属性別に見ると、男性よりも女性の方が危険意識への感度が高いことも示された。これら要因の定量化を目的とした回帰分析により、自転車利用者が車道走行をする際に危険を感じなくなる距離を、追越をする自動車速度と自動車と自転車との距離の関数にて示すことができた。これにより、実際の道路における自動車走行速度の規制や自転車走行のための幅員の拡幅などの検討が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自転車利用者の危険意識を明らかにするための実験を何のトラブルもなく実施でき、当初、予定していた自転車利用者の危険意識を十分に解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本研究の最終年度であり、申請時に計画していた、1)平成24年度研究までに得られた結果に基づく、望ましい自転車空間のありかたについての検討、および、2)自転車ネットワークの階層化に関する分析を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が0円でない理由は、研究成果の国際会議発表における旅費支出が大学より満額認められないことにある。この状況も年度末に明らかとなり、十分な対応ができなかった。 この研究費については、自転車ネットワークの階層化に関する分析において、解析補助の謝金などに使用したいと考えている。ネットワーク階層分析については、平成24年度より一部着手しているが、解析が予想より複雑であることがわかり、重点的に取り組む必要性を感じている。
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